2016年10月15日(土)鈴木真理乃 TORIO CONCERT【インタビュー】
2016年10月15日(土)に日暮里サニーホール・コンサートサロンで
「~トリオ結成を記念して~」と題して、鈴木真理乃 TORIO CONCERT が開催されます。
リサイタルに向けての抱負をインタビューいたしましたので、
三名の演奏を心待ちになさっているファンの方々のために
このブログを書かせていただきました。
鈴木真理乃(フルート)
4歳よりピアノ、12歳よりフルートをはじめる。フルートを白尾彰氏、永井由比氏に、室内楽を神田寛明氏、倉田優氏に師事。日本ジュニアクラシックコンクールで審査員賞受賞。桐朋短期大学在学中に学内演奏会、定期演奏会に出演。同年、ヴァンサン・リュカ氏のマスタークラスを受ける。短大卒業後、桐朋学園大学に3年次編入し現在同大学4年在学。
宮尾安紀子(オーボエ)
大分県出身。桐朋学園大学音楽学部卒業、同大学研究科修了。これまでにオーボエを高田喜夫、小畑善昭、蠣崎耕三、浦丈彦、最上峰行に師事。同大学卒業演奏会ならびに第85回読売新人演奏会に出演。新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第27回福岡にて九州交響楽団と共演。現在、桐朋オーケストラ・アカデミーに在籍
岩本果子(ピアノ)
1993年生まれ。2014年度大学卒業演奏会に出演。2015年、日本ピアノ調律師協会第16回新人演奏会、第85回読売新人演奏会に出演。2015年桐朋学園音楽大学ピアノ科卒業、現在同大学ピアノ科研究生2年。管楽器嘱託伴奏員。ピアノを村上弦一郎、加藤智子の各氏、チェンバロを有田千代子の各氏に師事。
・今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。
今回、私の尊敬するお二人とこのように演奏会を出来る事、とても幸せに思います。昨年一年間、このトリオで室内楽を勉強してきました。その中でフルートとオーボエ、ピアノが組み合わさることによって、それぞれの楽器のキャラクターがより引き出されていくことに気がつき、このトリオでの演奏がとても好きになりました。今回、演奏させて頂けることに感謝してこの編成の響きのおもしろさを伝えられるよう、精一杯演奏致します。(鈴木真理乃)
木管楽器と言えど金属でできていて空気の振動で音を出すフルートと二枚の木製のリードを振動させて出すオーボエ、張り巡らせた弦をハンマーで叩いて音を鳴らすピアノ、3つの異なる楽器の奏でる三位一体の音楽を皆さまにお楽しみいただけるよう心を込めて演奏いたします。(宮尾安紀子)
わたしたち3人は、昨年度学内でトリオを組みレッスンなどを受けていましたが、こうして皆さまの前で演奏させていただくのは今回が初めてで、この機会をとても嬉しく思っております。室内楽には様々な編成がありますが、フルート、オーボエ、ピアノのトリオというのは、ありそうでいて実は珍しい編成かと思います。各楽器の良さをお互い聴き合い、引き出し合い、皆さまに楽しんで聴いていただけるよう心を込めて演奏いたします。(岩本果子)
・演奏される曲の聴き所などを教えてください。
〈イベール:2つの間奏曲、イベール:フルート協奏曲の聴きどころ〉
イベールは1890年にパリで生まれました。12歳の時から作曲を始め才能に恵まれたイベールですが、プライベートでは映画や演劇に心酔し、俳優になることを夢見ていたそうです。
そんなイベール作曲の「2つの間奏曲」はもともと演劇の付随音楽として作曲されました。原作のお芝居がスペインの作家によるものなので、装飾やリズムからスペインの雰囲気を感じます。元の編成はフルート、ヴァイオリン、ハープですが、今回はフルート、オーボエ、ピアノで演奏致します。
フルート協奏曲は、イベールが最も盛んに創作をしていた時期に作曲され、フルートの巨匠でイベールの1つ歳上のモイーズにより初演されました。モイーズに献呈されたこの作品は、イベールとモイーズの強い結びつきの中で生まれ、フルートにおける「フランス派」をまさに代表する作品です。今回の演奏会でも演奏いたします、イベールの間奏曲とはまた全く違ったフランスの響きをお楽しみいただければと思います。(鈴木真理乃)
〈シューマンの聴きどころ〉
ドイツ・ロマン派を代表する作曲家のロベルト・シューマンは7歳の頃からピアノを習い、12歳の頃にはピアノ曲、合唱曲、管弦楽曲などを作曲していました。
今回演奏します「アダージョとアレグロop.70」は元々はホルンとピアノのために作曲されました。タイトルの通り、前半部分のオーボエとピアノの掛け合いが美しいアダージョ、後半のアレグロ部分には何度も出てくるメロディが印象的です。
オーボエの他にもヴァイオリンやチェロなどでも演奏されています。(宮尾安紀子)
〈ドゥメルスマンの聴きどころ〉
ドゥメルスマンは1833年にフランスに生まれ、パリでフルーティストと作曲家として活躍しましたが33歳という若さで亡くなりました。
「協奏的幻想曲 op.36」はアルプス山岳の田園情景を描写した非常に華やかな曲です。小鳥のさえずりを表現した技巧的なカデンツと序奏から始まり、ヨーデルの主題と2つの変奏曲、最後は美しい牧歌で終わります。(宮尾安紀子)
〈バッハの聴きどころ〉
ヨハン・セバスティアン・バッハは、17世紀、バロック時代の大作曲家です。バッハは作曲家であると同時に天才的なオルガンの即興能力があり、また宮廷楽長やトーマスカントル(教会の音楽を執り仕切る責任者)となって宗教音楽を書くなどして膨大な作品を後世に残しています。
当時トリオソナタの形式は非常に人気があり、この曲もその形式にそって作曲されています。今回はゆったりと美しい旋律が続く1楽章と、対照的にアップテンポで楽しい4楽章を抜粋して演奏いたします。(岩本果子)
〈アルベニスの聴きどころ〉
アルベニスはスペイン生まれの作曲家です。クラシックの世界ではスペインという国は中心ではないのですが、だからこそ、アルベニス始めスペインの作曲家の作品には他の国の作曲家には無い斬新さがあり、異国の雰囲気や色に溢れています。曲の題名アルバイシンはジプシーの居住区のことを意味しており、曲の最初には< 常にメランコリックに>、と指示されています。ギターの爪弾き、カスタネット、フラメンコの足捌きなどを思わせる箇所もあり、想像しながら聴いていただけると嬉しいです。(岩本果子)
・あなたにとって音楽とは何ですか。
今まで、音楽は私を沢山の素敵な人に巡り合わせてくれました。息を入れると毎日違った表情を見せてくれるフルートは、私に毎日多くの課題をくれます。音楽とフルートは私の生活のすべてで、なくてはならない大切な存在です。今、音楽と毎日向き合えることにとても感謝しています。(鈴木真理乃)
アイデンティティのようなものです。
幼い頃から音楽に触れ、音楽と共に育った私から音楽を離したらどうなるのか考えると怖くなります。そう思わせてくれる音楽をこれからも大事にしていきたいです。(宮尾安紀子)
毎日ピアノに触れ、様々なジャンルの音楽を聴き、時には歌ったりと、音楽をしない日はありません。今の生活は音楽無しには考えられないもので、今までの経験やこれからの目標、人とのつながりなど、音楽が無ければ得られなかったものばかりです。
当たり前に音楽ができる今の環境に感謝し、これからも日々誠実に音楽に向き合っていきたいと思います。(岩本果子)
時間: 19:30開演(19:00開場)
料金: 全席自由 2,500円
出演: 鈴木真理乃(フルート)、宮尾安紀子(オーボエ)、岩本果子(ピアノ)
プログラム:
イベール.ジャック:2つの間奏曲
ロベルト.シューマン:アダージョとアレグロ op.70
イベール.ジャック:フルート協奏曲 1,2楽章
モーツァルト:オペラ「魔笛」より 「私は鳥刺し」 他
バッハ.ヨハン・セバスティアン:トリオ・ソナタ BWV1039 1,4楽章
アルベニス.イサーク:イベリアより エル・アルバイシン
ドゥメルスマン.ジュール=オーギュスト:ファンタジー・コンチェルタント op.36
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