【インタビュー】2020年2月16日(日)土屋満久 ピアノ リサイタル
2020年2月16日(日)に東京・日暮里サニーホールコンサートサロンで土屋満久 ピアノ リサイタルを開催いたします。リサイタルに向けて土屋満久さんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。
インタビュー
今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。
これまでジョイントなどでの本番はありましたが、単独でのリサイタルは今回が初めてとなります。一昨年、留学を終えて帰国して、音楽でお仕事をさせていただくようになり、様々な現実に直面しました。学生時代の自分がいかに守られていたのか、そして音楽と向き合う厳しさと、終わりのない深さを痛感しました。リサイタルが近づいて来た今、ここまでやってこられたのは支えてくださる方々のお陰だと、改めて感じています。感謝の想いを胸に、今の自分にしかできない精一杯の演奏をお届けしてまいります。
演奏される曲の聴き所などを教えてください。
今回のリサイタルでは、前半のメインがベートーヴェンのピアノソナタ、そして後半がラフマニノフのピアノソナタとなっています。
この公演が決まった時から、2020年が生誕250年のメモリアルイヤーでもあるベートーヴェンはプログラムに入れたいと思っていました。ベートーヴェンのピアノソナタは「音楽の新約聖書」と言われるように、ピアノ学習者にとっては避けては通れないものです。今回演奏する31番はずっといつか弾きたいと憧れ続けてきた作品で、特に「嘆きの歌」と言われる第3楽章の導入部から、希望に満ちたようなフィナーレは何度聴いても感動を覚えます。
ラフマニノフの《ピアノソナタ第2番》は、留学中に最も勉強した曲の一つです。今回演奏するのは1931年の改訂版ですが、初版は1913年に作曲されました。第2楽章はラフマニノフの別荘があったイワノフカという場所の夏の美しい一日を描いたと言われています。綺麗な和音が印象的ですが、後に離れることになる祖国への哀愁のようなものも感じられます。一方で、分厚い和音が力強く響く場面もあり、20分ほどの中に色んな表情が見られる作品です。
あなたにとって音楽とは何ですか。
その答えはまだはっきりと分かってないかもしれません。ただ、私の経験から音楽は時に言葉以上の力があるものだと思います。留学中の2016年3月にブリュッセルでテロが起きました。私自身、直接被害を受けたわけではないですが、当時の衝撃は鮮明に覚えています。人々の分断が叫ばれる昨今、私にできることは何だろうと考えていました。そんな折、宗教間交流のコンサートに出る機会がありました。宗教や人種、言葉の違いを超えて、音楽を通して互いを讃え合う場面がそこにはありました。音楽は人と人の心を結ぶ強い武器になり得るのだと感じています。音楽の持つ力を信じ、人々をつないでいく音楽家に成長していきたいと思います。
演奏会情報
2020年2月16日(日)土屋満久 ピアノ リサイタル
会場:東京・日暮里サニーホールコンサートサロン
時間:15:30開演(15:00開場)
料金: 全席自由 2,500円
出演者
土屋満久 ピアノ
Mitsuhisa Tsuchiya
桐朋学園大学音楽学部を経て、同大学院大学修士課程修了。在学時に独奏者に選抜され、桐朋アカデミー・オーケストラと協
演。ブリュッセル王立音楽院修了。第12回セシリア国際音楽コンクール第4位。第10回ジュラ・キシュ国際ピアノコンクール第
1位。これまでにピアノを熊木かほる、山田京子、金澤希伊子、玉置善己、若林顕、上田晴子、ヨハン・シュミットの各氏に師事。
曲目
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第8番変ホ短調 BWV853
ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番 変イ長調 Op.110
ラフマニノフ:ピアノソナタ第2番 変ロ短調 Op.36 (1931年版)
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