【インタビュー】2023年7月15日(土)羊飼いの音楽La musica del pastore

【インタビュー】2023年7月15日(土)羊飼いの音楽La musica del pastore

2023年7月15日(土)に日暮里サニーホール・コンサートサロンで羊飼いの音楽La musica del pastoreを開催いたします。リサイタルに向けて渕田嗣代さんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。

インタビュー

今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。

音楽活動を約15年ほど休止していた私は、4年前に本格的に演奏活動のリハビリを始めました。コロナ禍ではありましが、自分でできることを少しずつと思う中、地元の江東区や千葉館山市、南房総市などで演奏の機会をいただき、大変ありがたいことに、演奏活動を再開することができました。私が声楽に魅了されたのは、アートソングと呼ばれる歌曲です。歌詞と音楽が融合した作品は、いろいろな感情を表現することができます。そして、その表現方法は、歌手の想像力や感性によって、さまざまです。私は学生時代よりアートソングにはまって以来、深く追求することを目指してきました。演奏企画を考えるうえでも、アートソングの魅力を伝えることを大切にしています。そんな私が、今回のコンサートのチャンスをいただけたのは、ご縁があったからこそです。普段、あまり耳にする機会のない作品を、わかりやすく紹介したいと思います。私は常に歌の中にあるストーリーや世界観を伝えることができる存在でありたいと思っています。このコンサートを通じて、アートソング、歌曲の素晴らしさをお届けできるよう精進いたします。

演奏する曲の聴き所などを教えてください。

コンサートの前半では、オスカー・ワイルドの童話「ナイチンゲールと赤い薔薇」から着想を得た、魅力的な歌曲を4曲集めました。これらの作品は、詩に歌を乗せることの魅力を体現した作品ばかりです。わかりやすい語りと演奏が交差するように、お届けします。コンサートの後半では、タイトルにもあるように、羊飼いをテーマにした作品を集めました。私は、吹奏楽を専門に扱うイギリスの出版会社が企画したCD『羊飼いと人魚』を聴く機会を得ました。このCDには、日本ではあまり紹介されていない、クラリネットと歌の作品がたくさん詰まっています。その中でも、特に注目したいのが「羊飼いと人魚」という作品です。この作品は、ヨーロッパのローレライ伝説に基づいており、人魚の美しい歌に魅了された人が海に消えていくという物語を描いています。牧歌的な音楽の中にも不気味な人魚の誘いを見事に表現した「羊飼いと人魚」を、今回は牧歌的なクラリネットではなく、優美でダイナミックな音色のヴァイオリンとのアンサンブルでお届けします。

あなたにとって音楽とは何ですか。

音楽は感情や思考、人生のさまざまな瞬間を表現するものであり時間や空間を超越し、多様な文化や言語を超えて人々をつなぎ、共感を生む力を持っています。私にとって音楽は自分の魂の一部となりたいと常に思っています。魂は存在そのものを具現化するものではなく、生きているものすべてに宿る存在だと思っています。生きているものには終りがありますが、魂には終わりがありません。自然に美しい、素敵、好き、愛すると感じた心が音楽となり魂となってずっと存在していてほしいと思います。

演奏会情報

2023年7月15日(土)羊飼いの音楽La musica del pastore
会場:日暮里サニーホール・コンサートサロン
時間:16:30開演(16:00開場)
料金: 全席自由 2,500円

出演者

渕田 嗣代
Tsuguyo Fuchita ソプラノ

東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。第46回滝廉太郎記念全日本高等学校声楽コンクール1位。南日本音楽コンクール優秀賞。第13回鹿児島新人演奏会県知事賞受賞。在学中よりウィーン短期留学ワークショップに参加。オーケストラ共演、新曲発表演奏に参加。現在報道番組の放送ディレクター傍ら演奏活動を行っている。江東区音楽家協会会員。

山本 真希子
Makiko Yamamoto バイオリン

東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。同大学大学院にて修士課程修了。山元由美子、浦川宜也、梶田昭、山岡耕筰の諸氏に師事。南日本音楽コンクール5年連続優秀賞受賞。第40回全日本学生音楽コンクール高等学校の部福岡大会第1位受賞。1992年に鹿児島にてリサイタルを開催。オーケストラや室内楽、多数のミュージカルで活動中。

板谷 潔
Kiyoshi Itaya ピアノ

東京音楽大学卒業。これまでにポーランド国立クラクフ室内管弦楽団、東京ニューシティ管弦楽団等と共演。第1回ショパンピアノコンクールin ASIA入賞など受賞多数。セントビンセントへ青年海外協力隊員として派遣され、同国の総督邸にてリサイタル開催。帰国後も積極的に演奏活動をしつつ、川越市及びさいたま市にてピアノ教室ぴぷらを主宰し、後進の指導にもあたっている。

原 育美
Ikumi Hara 語り

東京音楽大学声楽科卒業。井崎洋子、澤滋、松井康司各氏に師事。エヴァ・ブリンク・ヒレマン公開レッスン受講。オペラ「ノアの箱舟」他ジョイントコンサート主催出演多数。ナレーションを渡辺綾子氏に師事し、声楽家のキャリアとともにコンサートの司会などでも活躍中。江東区音楽家協会副会長。

曲目

カゼッラ:美しい鳥籠から逃げたナイチンゲール~「14世紀の3つの歌」より

リヒャルト・シュトラウス:春~「4つの最後の歌」より

ベルク:ナイチンゲール~「7つの初期の歌」より

シュペート:アルプスの歌

リントパイントナー:羊飼いと人魚

シューベルト:岩の上の羊飼い