上田萌莉さん(大学2年生部門第1位)第9回東京国際ピアノコンクール入賞者インタビュー
- 2023.05.23
- コンクールオーディション
- インタビュー, 東京国際ピアノコンクール
第9回東京国際ピアノコンクール入賞者インタビュー
上田萌莉 大学2年生部門 第1位
S.ラフマニノフ/楽興の時 Op.16 より 第1、4番
千葉県出身。第22回日本演奏家コンクール第2位及びベヒシュタイン賞を受賞し、ベヒシュタイン・カンマーオーケストラ と共演。第2回ラフマニノフ国際ピアノコンクール ラフマニノフ賞。第9回北本ピアノコンクール第2位。第9回Kジュニア& 学生音楽コンクール第3位。これまでに田代稚恵美、藤田尚、 播本枝未子、津田裕也の各氏に師事。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て東京藝術大学2年在学中。
Q.本選での選曲について、選曲理由、作品の聴きどころについてお聞かせください。
――私は本選でラフマニノフの楽興の時より1番と4番を演奏しました。この曲は私にとって、とても思い入れのある大切な大切な楽曲です。この曲を演奏する時、私はいつもロシアの風景を思い浮かべてからピアノに手を置きます。寒くて少し暗くて広い大地に自分が立てているな、そう感じてから弾き始めます。哀愁漂うような、どこかにすがる様な希望を感じるような、大きく包み込んでくれるような、そんなラフマニノフの音楽が大好きです。
Q.より良い音楽、演奏のために普段から心がけていることはありますか。
――より良い音楽に繋げるために私が普段から心掛けているのは、感覚を研ぎ澄ませることです。音楽というのは演奏する場所であったり、会場の雰囲気、演奏者の調子など同じ演奏が二度されることは無いと思っています。演奏している時に感じる空間の温度や、自分の耳に聴こえてくる会場の全ての音、頭の中で思い描いている音楽を追い求めながら演奏することを意識しています。
Q.思い出のレッスンはありますか。
――将来の事について考え始めた頃の私に先生が「私は音楽を専門的に教えているけれど、あなたに音楽家になって欲しくて教えている訳ではない。音楽を学ぶ事であなたの人生のパレットがさまざまな色で彩られて、カラフルな人生を歩んでくれれば私は嬉しい。」と仰ってくださったレッスンがとても印象に残っていて、音楽をずっと続けていきたいと決めた今も、何度も背中を押されている大好きな言葉です。
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