【インタビュー】2024年4月13日(土)Bond Saxophone Quartet Recital Vol.2
2024年4月13日(土)に東京・日暮里サニーホールコンサートサロンでBond Saxophone Quartet Recital Vol.2を開催いたします。リサイタルに向けて藤井駿さん、有馬和輝さん、藤原啓梧さん、立畠響介さんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。
インタビュー
今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。
藤井駿さん:メールの内容が失礼だと上司から3回も苦情が入り、業務中にジャムパンを食べていたら注意され、会社用携帯を無くし入社一年経たずに顛末書を作成、そんな滑稽な社会人も音楽をするときだけは真摯に向き合い、良い音楽とは何かという問いを直向きに追求してきました。我々なりの解釈を皆様と共有し、有意義な時間を過ごしたいと思っています。
有馬和輝さん:大学進学と共にサクソフォンとは少し離れる予定でしたが、カルテットに声をかけていただきこのような素晴らしいステージのもとで演奏できることを大変嬉しく思います。これまであまり触れてこなかったオリジナル作品を作り上げていくと共に、サクソフォンの可能性がどんどん増大していくことに大変ワクワクしています。サクソフォンの可能性と素晴らしいオリジナル作品の融合を聴いてくださる方に届けられるよう演奏していきたいと思います。
藤原啓梧さん:私にはもったいないくらいに恵まれたメンバー、環境に引けをとらないよう、仕事に追われながらも日曜音楽家ごっこを続け、進化してきました。今回の素晴らしい舞台では、新年度すぐということで、最新版の私達を少しでも楽しんでいただけるよう演奏したいと思います。
立畠響介さん:他の3人を支えるだけでなく、時にアグレッシブに、一歩踏み込んだ表現をしたいです。バリトンサックスという、普段中々目立たない楽器を魅力に感じていただけるよう頑張ります。
演奏する曲の聴き所などを教えてください。
藤井駿さん:ドヴォルザークのアメリカの1楽章ですね。ドヴォルザークは鉄道ファンだったこともあり、至る所にその要素が散りばめられているように感じます。ここからは主観ですが、冒頭のソプラノ、アルトは列車のベルのような響き、これからの長旅を予感させるようなテナーのメロディー、全員でリズムを刻み、汽車のジョイント音のようなものを表現、こんなことが想起されます。途中下車で温泉街やのどかな田園に降り立つ風景も容易に浮かばれてきて、本当にまさに今メンバー皆で旅行しているような気持ちになれる、そんな幸せに満ちた曲です。
有馬和輝さん:ドビュッシー「小組曲」第2楽章ではサクソフォンカルテットとしてのソプラノ、アルト、テナー、バリトンの形からソプラノ、ソプラノ、テナー、バリトンという珍しい編成になります。普段あまり聞くことのできない音の響きを我々の音と共に楽しんでいただけたらなと思います。
藤原啓梧さん:ドビュッシーの小組曲は、全曲を通して繊細でお洒落な雰囲気となっており、良い意味で愛好家らしくない、以前よりも洗練された私達の音楽を楽しんでいただければ幸いです。
立畠響介さん:特定のポイントではないのですが、今回のプログラムは全て原曲がサックスではない作品のアレンジで構成されています。どの楽器も限界を超えた振る舞いが要求されており、そのおかげか、バリトンにもメロディがたくさん割り振られていて普段よりも目立つようになっています。そういった意味で、質問にまっすぐ答えるならば「全てのバリトンサックスのメロディ!!!」かなと思います。
あなたにとって音楽とは何ですか。
藤井駿さん:自分を人間たらしめているもの。自分から音楽が消えたとき、私は土に還ります。
有馬和輝さん:私にとって音楽とは自分の支えであり新しい世界を見せてくれるものです。特にサクソフォンはなくてはならない存在です。鹿児島から静岡に進学した時、周りに知り合いは1人としていませんでした。それでもサクソフォンは肌身離さず持ち、練習を重ねていました。そんな時藤井さんと立畠さんと出会い、カルテットにお誘いしていただきそこで藤原さんと出会うことができました。サクソフォンを通して年齢関係なく交友関係を築くことができました。そして、今回このステージに立てたことも皆さんと出会えたからこそです。新しい地で不安もありましたがサクソフォンがあったからめげずに頑張り昔では考えられないくらい濃密な時間を過ごすことできています。
新しい世界を見せてくれる音楽には感謝しかありません。
藤原啓梧さん:外界との繋がりです。音楽は単純に引っ込み思案な私の人間関係を広げるだけではなく、それを通して他人の意思であったり、自身の気づかない変化にまでも触れさせてきてくれました。
音楽がなければ、私は孤独のなかで死んでいるでしょう笑
立畠響介さん:「コレクション」です。昔から収集癖があり、最近音楽もその一環だと思っています。色々な曲が自分の「聴いたことがある」「楽譜を持っている」「人前で演奏した」「綺麗に録音できた」のようなリストに入っていくのを楽しみに生きています。
演奏会情報
2024年4月13日(土)Bond Saxophone Quartet Recital Vol.2
会場:東京・日暮里サニーホールコンサートサロン
時間:14:00開演(13:30開場)
料金: 全席自由 2,500円
出演者
藤井駿
Soprano Saxophone
兵庫県神戸市出身。京都大学工学部工業化学科および同大学院工学研究科粒子工学専攻修了。現在メーカーに勤務。第18回大阪国際音楽コンクール大学、大学院生の部第3位受賞、並びに大学から総長賞、工学研究科長賞を受賞。また、第22回同コンクール一般の部第2位。東京国際管弦声楽コンクールプロフェッショナルの部第4位。第31回日本音楽クラシックコンクールサクソフォン部門一般の部第5位。これまでにPhilippe Geiss, Alxandre Souillartのマスタークラスを受講。サクソフォンを西本淳、田中拓也、小澤瑠衣の各氏に師事。
有馬和輝
Alto Saxophone
鹿児島県屋久島出身。鹿児島県立松陽高校音楽科卒業。サクソフォンを12歳から始める。第43、44、45回鹿児島県高校音楽コンクール金賞。第24回日本ジュニア管打楽器コンクール本選出場。第24回若き音楽家たちのコンサートグランプリ。第43回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール木管楽器部門大学生の部第5位。第33回日本クラシック音楽コンクール全国大会出場。サクソフォンを赤﨑公美、西村夕貴に師事。
藤原啓梧
Tenor Saxophone
兵庫県明石市出身、京都大学工学部卒業。本カルテットの藤井と同学年で入学した大学にて、ゲームに楽器にと本業を忘れ過ごしていると、気がつけば4学年下の立畠と共に卒業式に出ることとなった。カルテット結成以来、エンジニアとして働く現在に至るまで、素晴らしいメンバーに支えられながら、依頼演奏、リサイタル等のサクソフォン活動に取り組み腕を磨いている。これまでにサクソフォンを高畑次郎氏に師事。
立畠響介
Baritone Saxophone
広島市生まれ。京都大学総合人間学部卒業。13歳でサクソフォンを始め、元プロであった当時の顧問の影響でソロの演奏に深い興味を持つ。その後エリザベト音楽大学への入学や、退学後の再受験など紆余曲折を経るも、飲食店での依頼演奏、カルテットでの単独ライブなど、継続して演奏活動に取り組む。第8回ナゴヤサクソフォンコンクール一般部門で第2位、第23回大阪国際音楽コンクールSectionⅢヴィルトーゾコースで第2位、第85回東京国際芸術協会新人演奏会オーディションで奨励賞を受賞し合格。これまでにサクソフォンを宮田麻美、大石将紀の各氏に師事。
曲目
C.ドビュッシー:《小組曲》
A.ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番《アメリカ》
他
-
前の記事
【インタビュー】2024年4月13日(土)鈴木義了&枝原美嬉デュオリサイタル~Flute Duo Recital vol.1~ 2024.03.07
-
次の記事
【インタビュー】2024年4月14日(日)日和佐守ピアノリサイタル~シューベルト 4つの即興曲作品90~ 2024.03.14