佐藤さつきさん(マスターズAの部第1位)第10回東京国際ピアノコンクール入賞者インタビュー
- 2024.05.20
- コンクールオーディション
- インタビュー, 東京国際ピアノコンクール
第10回東京国際ピアノコンクール入賞者インタビュー
佐藤さつき マスターズAの部 第1位
C.ライネッケ/左手のためのピアノソナタ ハ短調 Op.179 第1、4楽章
神奈川県出身。3歳よりピアノを始める。コンクールなどに出ながらピアノを続けるも、中学3年生の時に右手がジストニアになる。その後は、音楽の道を諦め、趣味で大学の音楽サークルなどに入りながらピアノを続ける。2018年にYAMAHA時代の大先輩である坂本真由美先生に再会、レッスンをお願いし、2020年より先生の勧めで左手の曲にチャレンジしている。
2022年全日本ピアノコンクールU55部門第3位。
現在、坂本真由美氏に師事。
Q.入賞されたお気持ちを聞かせてください。
――正直とても嬉しかったです。本番ではある程度はうまく弾けた感覚はありましたが、求めていたところまでは到達していなかった感覚でした。審査員の先生にもうまく表現できている旨、評価いただけてとても嬉しかったです。
Q.本選での選曲について、選曲理由、作品の聴きどころについてお聞かせください。
――ライネッケのソナタ、特に1楽章については、初めて聴いた時、とても印象的でした。すぐにでも弾きたいと思い、楽譜を探したことを覚えています。弾くうちにますます好きになり、舞台で弾きたいと思うようになりました。和音の変化が絶妙で聴いていて吸い込まれるような感覚がします。ライネッケはドイツの作曲家ですが、ほかのフルートのソナタや交響曲を聴いてみても同じドイツの作曲家のブラームスのような伝統、格式を重んじる雰囲気を感じさせます。
Q.より良い音楽、演奏のために普段から心がけていることはありますか。
――演奏以外の時間を大切にしようと心がけています。ライネッケは作曲家のほかピアニストや指揮者であり、ライプツィヒ音楽院で教鞭を執っていました。また1824年に生まれ85歳まで生き、当時としては長寿でした。作曲家の背景を研究することは普段省略してしまいやすいタイプなのですが、今回初めて少し調べてみることにしました。先にも述べましたが、他にも多数の曲を作曲しています。
演奏については、大きなフレーズでよく歌って弾くことを心がけています。特に左手の場合、親指のメロディーラインが演奏上、非常に大きな役割を果たすので、どのように弾くか大きな課題となります。
Q.思い出のレッスンはありますか。
――先生はいつもレッスンの時間に最大限の力でレッスンをしてくださいます。あとでレッスンを振り返ると様々なところに気づきがあり、様々な視点から音楽を教えていただいていることが分かります。今後も様々な曲を練習していくと思いますが、先生に教わったことと、自身で発見したことを合わせて、良い演奏に結び付けていけたらと思います。
Q.今後の意気込みをお聞かせください。
――今後も弾ける曲を増やしたり、たくさん舞台に立ったり、楽しくピアノを続けていきたいです。仕事があるので弾ける時間は限られますが、昔から音楽は好きなので続けていけたらと思います。時間がある時はコンクールにも参加して実力を更に伸ばしていけたらと思います。
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