【インタビュー】2024年11月24日(日)新林慶人ピアノリサイタル

【インタビュー】2024年11月24日(日)新林慶人ピアノリサイタル

2024年11月24日(日)に東京・日暮里サニーホールコンサートサロンで「新林慶人ピアノリサイタル」を開催いたします。リサイタルに向けて新林慶人さんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。

インタビュー

今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。

幸いなことにこれまで数々の演奏機会に恵まれてきましたが、ソロリサイタルを開催させていただくのは今回が初めてです。各楽曲が持つ魅力を最大限に引き出し、その感動を1人でも多くの方に届けられるよう、全身全霊で演奏に臨みます。たくさんの方のご来場、お待ちしております。

演奏する曲の聴き所などを教えてください。

J.S.バッハ/トッカータ ハ短調 BWV911

トッカータとは速いパッセージや細かな音形の変化などを伴った即興的な楽曲で、技巧的な表現が特徴。この曲も例に漏れず、自由さと即興性に溢れた冒頭から始まり、古典的でありながら後半にかけてドラマティックになっていく華やかな作品である。特にフーガのテーマが繰り返され、音楽が緊張と解放を繰り返しながら進む点がこの曲の大きな魅力であり、華麗な技巧と深い音楽性が融合した、聴き手を圧倒する一曲。

ベートーヴェン/ピアノソナタ第30番 ホ長調 Op.109

後期三大ソナタの一つ。3楽章構成のピアノソナタによくある「急・緩・急」という構成から大きく外れ、二つの短い「急」楽章の後に、長大な「変奏曲」が置かれるという変則的な構成となっている。このソナタは全体を通して、晩年のベートーヴェンの深い精神性が表現されていて、第1楽章の軽やかで詩的な雰囲気、第2楽章の力強いリズム、そして第3楽章の心に染み入る美しさが聴きどころだ。個人的には、特に変奏曲がそれぞれ異なる感情の世界を描いている点が魅力的だと感じる。

シューベルト/ピアノソナタ第18番 ト長調「幻想」D894

この作品はシューベルトの後期の作品で、ピアノソナタの形式を保ちながら、幻想的な要素が色濃く反映された一曲。全体として、シューベルトの豊かな歌心と深い抒情性が特徴で、広大な音楽の世界がゆったりと展開される作品だと思う。特に冒頭の緩やかな第一楽章が特に魅力的であり、音楽が次第に盛り上がりながらも、常に夢幻的な雰囲気を保っている点が聴きどころだ。抒情的でありながらも、時に大胆な転調や劇的な展開が見られ、聴き手を深い音楽の旅へと誘う傑作。

これらの作曲家はそれぞれ異なる時代とスタイルを持っている。その対比や個々の作品の魅力を活かして、豊かなプログラムを楽しんでもらいたい。

あなたにとって音楽とは何ですか。

私にとって音楽とは感情や思考を超えた表現の手段です。音楽は、言葉で伝えられない感情や瞬間を音で形にし、時代や文化を超えて人々をつなぐ共通の言語だと思っています。

演奏会情報

2024年11月24日(日)新林慶人ピアノリサイタル
会場:東京・日暮里サニーホールコンサートサロン
時間:19:00開演(18:30開場)
料金: 全席自由 2,500円

出演者

新林慶人
Keito Shimbayashi, ピアノ

広島県出身。給費奨学生として東京音楽大学ピアノ演奏家コースに入学、現在は学部3年に在学中。第41,42,43回PTNAピアノコンペティション全国決勝大会に出場、E級ベスト賞。第37回中国ユース音楽コンクール本選優秀賞。第6回トカチェフスキ国際ピアノコンクール第3位。第31回彩の国埼玉ピアノコンクールF部門銀賞。第88回東京国際芸術協会新人オーディションにて奨励賞を受賞し合格。2022年度東京音楽大学ピアノ演奏会~ピアノ演奏家コース成績優秀者による~、東京音楽大学表参道サロンコンサートvol.59等の演奏会に出演。これまでに大井伸子、小蔦寛二、西川秀人、岡田敦子、ギグラ・カツァラヴァの各氏に師事。

曲目

J.S.バッハ:トッカータ ハ短調 BWV911

ベートーヴェン:ピアノソナタ第30番 ホ長調 Op.109

シューベルト:ピアノソナタ第18番 ト長調「幻想」D894