久保光暖さん(声楽部門高校生の部第1位)第47回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール入賞者インタビュー

久保光暖さん(声楽部門高校生の部第1位)第47回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール入賞者インタビュー

第47回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール入賞者インタビュー

久保光暖 声楽部門高校生の部 第1位

S.ドナウディ/ああ愛する人の

Q.ご入賞された今のお気持ち・感想を聞かせてください。

――これまでに全国大会に一度だけ出場したことはありましたが、全国大会で受賞したのは初めてで驚いています。本番は、緊張していましたが、舞台に立つと力が抜けて、リラックスして歌えました。気持ちよく歌えて良かったと満足して鹿児島に帰りました。3日後発表があり、まさか第1位を受賞できるとは思っていなかったので、とても嬉しかったです。今まで応援してくださった先生方や家族に感謝しながら、これからも楽しんで歌を歌っていきたいと思います。

Q.音楽を始めたきっかけ、当コンクールに参加したきっかけを聞かせてください。

――姉と一緒に2歳から合唱団に入り、毎週友達に会って遊ぶことを目的に通っていました。歌はそっちのけで、練習中、歩き回ったり、時には舞台で寝転んだりしたこともありました。友達とは本当の兄弟のように付き合い、先生はお父さんのように、叱ったり褒めてくれたりしてくれました。みんなで仲良く楽しく練習することで歌うことが大好きになりました。『歌うって楽しい』『歌うって気持ちいい』ということを合唱団で知り、これが僕の歌の原点になりました。合唱団を続けていくとソロを歌う機会があり、1人で歌うことの喜びや楽しさを知り、小学5年生から本格的に声楽を始めました。レッスンは毎回、楽しくて仕方ありません。叱られても褒められても先生方が僕のために言ってくださることが本当にありがたいです。中学時代はコンサートやコンクール、ミュージカルで歌う機会もあり、自分の歌を聴いていただく喜びを知りました。高校は音楽科に入り、同世代の音楽を志す仲間との切磋琢磨した生活はとても充実しています。恵まれた環境で大好きな声楽を学ぶことができ、幸せです。これからも感謝の気持ちを忘れず、心に届く歌を歌っていきたいと思います。

Q.演奏する中でお気に入りの1曲と好きなところを教えてください。

――私が気に入っている1曲は今回のコンクールで歌った『O del mio amato ben(ああ愛する人の)』です。声楽を始めた頃にコンクールで年上の人が歌っているのを聴いて、「この曲を歌いたい」とずっと思っていました。高校生3年生になって、先生方に相談してこの曲を歌うことが決まった時は、本当に嬉しかったです。歌詞の内容は、愛する人がいなくなって探したり呼び求めたりするも愛する人は戻って来ず、「だが、あの人無しに、どうするのだ」という思いから、愛する人がいなければ人生は虚しく思えるという愛情と未練の感情が入り混じる曲です。難しい表現に困っていたところ、曲を研究する中で、こんな風に歌いたいという演奏に辿り着きました。まずは、真似から始め、少しでもその演奏に近づけるよう練習しました。最終的には、作曲者ドナウディの当時の気持ちに近づき、表現できるよう努力し続けたいと思います。