【インタビュー】2025年1月25日(土)Bond Saxophone Quartet
2025年1月25日(土)に東京・日暮里サニーホールコンサートサロンで「Bond Saxophone Quartet」を開催いたします。リサイタルに向けて藤井駿さん、有馬和輝さん、藤原啓梧さん、立畠響介さんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。
インタビュー
今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。
藤井さん:今回の曲目はどれも毛色が違っており、古典のモーツァルト、古典とロマンハイブリッドのメンデルスゾーン、ロマン派グラズノフ、弦楽ロマン派ボロディン、と色彩が非常に豊かです。適した衣装や適した言葉を自分たちなりに選んで演じていきたいです。
有馬さん:今回は90分で最大限ボリュームを詰め込んだ曲目になっています。Bondと出会って多くのリサイタルを経験していく中で、視野が広がり、好きな曲が増え、まだやれると自分を奮い立たせていくことができました。今回メイン曲をグラズノフとボロディンの2作品あります。どちらも「いつか演奏したい!」と思っていた作品です。ようやく演奏できることを大変嬉しく思います。他にもサクソフォンの魅力を最大限お伝えできる曲目となっています。サクソフォン、曲目、そして我々の魅力をお伝えできるよう精一杯演奏したいと思います。
藤原さん:今回、過去にないくらいにとても重くて大変なプログラムをやらせていただきますが、どこをとっても大好きな曲で自分が演奏できることが夢のようです。
大好きな音楽の良さを少しでも共有できるように頑張ります。
立畠さん:他の3人を支えるだけでなく、時にアグレッシブに、一歩踏み込んだ表現をしたいです。バリトンサックスという、普段中々目立たない楽器を魅力に感じていただけるよう頑張ります。
演奏する曲の聴き所などを教えてください。
藤井さん:甘い表現ならグラズノフの A la Chopinとボロディンの第3楽章、アンサンブル的に緊張感があるのはメンデルスゾーンのカプリッチョでしょうか。
有馬さん:どれも素晴らしい作品ですが、私はボロディン《弦楽四重奏曲第2番 ニ長調》をお勧めします。普段は弦楽器で演奏される曲ですが、サクソフォンの魅力を発揮できる曲目となっています。第1楽章の伸びやかであり淡い景色を感じる音楽、第2楽章の細やかで爽やかでありながら、ところどころ見せる可愛らしい音楽、第3楽章の温かく力強い音楽、第4楽章のフィナーレにふさわしいやる気に満ちた晴れやかな音楽。20分を超える大曲ではありますが、情景がイメージしやすく、心地よい音楽ですので楽しんでいただけると幸いです。
藤原さん:今回ボロディンの弦楽四重奏曲をやりますが、ご存じの通りボロディンは主に化学者として功績をあげながら精力的に作曲してきた作曲家です。偉大なボロディンと並べるのは恐れ多いですが、私たちも音楽以外の本業をもちながら”日曜音楽家ごっこ”をしているということで少し面白いなと思います。
曲の内容はというとボロディンの愛やロシア情緒にあふれた曲になっているのですが、音楽家としての意匠と愛好家の熱意のこもった演奏になればと思うので、楽しんでいただければ幸いです。
立畠さん:あえての(?)グラズノフの《サクソフォン四重奏曲》です。今回、この曲だけがサックスのオリジナル作品なのですが、弦楽器っぽく響く箇所も多々あります。弦楽器の名曲たちと一緒に取り上げることで、この演奏会ならではの新しい聴こえ方が発見できるのでは?と考えています。
クラシックの歴史的名曲たちと並んでも全く劣らない、サックス界の至宝です!
あなたにとって音楽とは何ですか。
藤井さん:体の部位で言うと脳幹とかですかね。
有馬さん:私にとって音楽とは生活に色を与えてくれるものです。時々、「もし自分がサックスをしていなかったら」と考える時があります。今はサックスがあるから練習に行ったり、外に出る機会ができたりしていますが、もししていなかったら家で寝たきりになっていたかもしれません。そう考えると恐ろしくもあり、サックスに感謝しかありません。今年度はサックスを通した繋がり、音楽仲間も増え非常に楽しい1年でした。ここまで日常に色をつけてくれる音楽(サックス)は切っても切り離せません。
藤原さん:普段なんとなく流れている音楽にふと耳を傾けると、良い曲だなと曲そのものに浸ったり、奏者の工夫を楽しめることがあります。また、練習していてどう吹けば面白いだろうと考えたりする時間はとても楽しいものです。
そんな人間の意思にあふれた音楽は、生きるのに必須ではないけれど、日常の隣にあり触れることで世界を広げてくれる、私の世界をより深く多彩に彩ってくれるかけがえのないものです。
立畠さん:「コレクション」です。昔から収集癖があり、最近音楽もその一環だと思っています。色々な曲が自分の「聴いたことがある」「楽譜を持っている」「人前で演奏した」「綺麗に録音できた」のようなリストに入っていくのを楽しみに生きています。
演奏会情報
2025年1月25日(土)Bond Saxophone Quartet
会場:東京・日暮里サニーホールコンサートサロン
時間:19:00開演(18:30開場)
料金: 全席自由 3,000円
出演者
藤井駿
Soprano Saxophone
兵庫県神戸市出身。京都大学工学部工業化学科および同大学院工学研究科粒子工学専攻修了。 現在メーカーに勤務。 第18回大阪国際音楽コンクール大学、大学院生の部第3位受賞、並びに大学から総長賞、工学研究科長賞を受賞。また、第22回同コンクール一般の部第2位。東京国際管弦声楽コンクールプロフェッショナルの部第4位。第31回日本クラシック音楽コンクールサクソフォン部門一般の部第5位。これまでにPhilippe Geiss, Alxandre Souillartのマスタ ークラスを受講。第28回「静岡の名手たち」オーディションに合格、及びロダン賞を受賞。サクソフォンを西本淳、田中拓也、小澤瑠衣の各氏に師事。
有馬和輝
Alto Saxophone
鹿児島県屋久島出身。鹿児島県立松陽高校音楽科卒業。サクソフォンを12歳から始める。第43、44、45回鹿児島県高校音楽コンクール金賞。第24回日本ジュニア管打楽器コンクール本選出場。第24回若き音楽家たちのコンサートグランプリ。第43回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール木管楽器部門大学生の部第5位。第33回日本クラシック音楽コンクール全国大会出場。今年度開催「第30回浜松管楽器アカデミー」でジャン=イブ・フルモーのクラスとして参加。サクソフォンを赤崎公美、西村夕貴、小澤瑠衣の各氏に師事。静岡文化芸術大学在学。
藤原啓梧
Tenor Saxophone
兵庫県明石市出身、京都大学工学部卒業。本カルテットの藤井の同級生として入学した大学にて、ゲームに楽器にと本業を忘れ過ごしていると、気づけば4学年下の立畠と共に卒業式に出ることとなった。本カルテット結成以来、エンジニアとして働く現在に至るまで、素晴らしいメンバーに支えられながら、依頼演奏、リサイタル等のサクソフォンの演奏活動に取り組み腕を磨いている。これまでにサクソフォンを高畑次郎氏に師事。
立畠響介
Baritone Saxophone
広島市生まれ。京都大学総合人間学部卒業。13歳でサクソフォンを始め、元プロであった当時の顧問の影響でソロの演奏に深い興味を持つ。その後エリザベト音楽大学への入学や、退学後の再受験など紆余曲折を経るも、飲食店での依頼演奏、カルテットでの単独ライブなど、継続して演奏活動に取り組む。第8回ナゴヤサクソフォンコンクール一般部門で第2位、第23回大阪国際音楽コンクールSection IIIヴィルトーゾコースで第2位、第85回東京国際芸術協会新人演奏会オーディションで奨励賞を受賞。これまでにサクソフォンを宮田麻美、大石将紀の各氏に師事。
曲目
W.A.モーツァルト:教会ソナタ第2番 KV.68
A.グラズノフ:サクソフォン四重奏曲 変ロ長調 Op.109
F.メンデルスゾーン:弦楽四重奏のための4つの小品 Op.81より カプリッチョ
A.ボロディン:弦楽四重奏曲第2番 ニ長調
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