呂芨歐さん(小学5年生の部第1位)第11回東京国際ピアノコンクール入賞者インタビュー

呂芨歐さん(小学5年生の部第1位)第11回東京国際ピアノコンクール入賞者インタビュー

第11回東京国際ピアノコンクール入賞者インタビュー

呂芨歐 小学5年生の部 第1位

F.ショパン/ピアノソナタ 第2番 「葬送」 変ロ短調 Op.35 第1楽章

Q.ご入賞された今のお気持ち・感想を聞かせてください。

――こちらは私が初めて参加する東京国際ピアノコンクールで、三輪進級淘汰方式で進行される競技であり、この大会の主催者の厳格さとプロフェッショナリズムを感じることができ、とても規模の大きな大会だと思いました。各ラウンドで私は全力を尽くして演奏しました。最終ラウンドの決勝に進出でき、素晴らしい成績を収めることができたことを大変光栄に思っています。このような素晴らしい演奏の場を提供してくださった主催者の皆様、そして審査員の先生方に心から感謝申し上げます。この大会を通じて、私はさらに多くの経験を積むことができ、今後の音楽の旅においても大きな視野の広がりが得られると確信しています。

Q.本選での選曲について、選曲理由、作品の聴きどころについてお聞かせください。

――今回の大会では、各ラウンドで異なる曲を演奏することを選びました。予選と準本選では、ベートーヴェンのピアノソナタ第18番 変ホ長調 Op. 31, No. 3と、リストの超絶技巧練習曲 第4番「マゼッパ」を演奏しました。本選では、ショパンのピアノソナタ第2番 変ロ短調 Op. 35「葬送」を選びました。
大会に申し込んだ時点で、もし本選に進むことができたら、必ず自分の最も好きな作曲家であるショパンの作品を演奏しようと決めていました。特に「葬送」の第1楽章は、その物語性と演奏技法に深く魅了されました。多くの著名なピアニストの演奏や解釈を参考にし、最終的には自分自身の「葬送ソナタ」を見つけ出し、それを観客の皆様にお届けすることができました。

Q.より良い音楽、演奏のために普段から心がけていることはありますか。

――普段は基本的な練習に注力しており、特に「姿勢」の調整には気を付けています。なぜなら、しっかりとした基本技術がなければ、たとえどんなに頭の中にアイデアがあっても、それをピアノで表現することはできないと考えているからです。つまり、期待する音色と実際に弾き出す音色が全く異なってしまうということです。

Q.思い出のレッスンはありますか。

――最も忘れられないレッスンは、嚴俊傑教授から受けたレッスンです。嚴教授は最初のレッスンで、まず演奏姿勢の調整から始めました。その時は理解できず、反発もしていました。慣れ親しんだ動作を変えることは辛いことで、さらにすでに速く演奏できていると思っていたからです。しかし、教授は「速さだけではダメだ、音色の表現こそが重要だ」と教えてくださいました。嚴教授からは、力の使い方をどうコントロールするか、そして「聴く」ことの重要性や「美」の定義を学びました。この経験が、その後の演奏において大きな影響を与える重要な啓発となったと感じています。

Q.練習以外に音楽と向き合うためにしていることがあれば教えてください。

――台湾にいた時、私はよく世界各地の演奏家に注目していました。台湾でコンサートが開催されると必ず足を運び、実際に演奏を聴くことで多くの異なるアイデアを得ることができました。その時に感じる空気の震動、演奏会場の空気や温度、演奏家たちの表情や動作は、私にとってとても大きな刺激となりました。これらはインスピレーションを得るために非常に有益だと思います。普段はクラシック音楽を聴くことが多いですが、ポップ音楽も大好きです。中国語、英語、日本語の曲もよく聴きますし、ロックやラテン音楽も楽しんでいます。それぞれの音楽が異なるアイデアを私に与えてくれます。

Q.最近のマイブームは何ですか。

――最近日本に来て生活を始めたばかりで、あちこちを歩き回って日本のすべてを感じるのがとても楽しいです。日本の風景や街並みは本当に美しく、四季の変化も豊かで、毎日新しい発見があります。時々、いくつかの駅にあるストリートピアノで演奏したり、他の人の演奏を聴いたりすることもあります。音楽を通じて、見知らぬ人と交流できるのはとても面白いと感じています。普段はバスケットボールにも熱中しており、バスケットボールの運動はピアノ演奏と非常に似ていると感じています。どちらも姿勢の使い方が重要で、非常に面白いです。

Q.今後の意気込みをお聞かせください。

――将来はもっと多くの曲を聴き、より多くの音楽を演奏し、さまざまな大会に参加して、さらに多くの風景を見たいと思っています。人生の中で音楽とともに歩んでいきたいと考えており、どんな形であれ、音楽を生活の一部として、生活を音楽に変えていきたいと思っています。比較的近い目標としては、17歳の時にショパン国際ピアノコンクールに参加し、良い成績を収めることです。ピアノのコンクールの最高の舞台であるこの大会には、ぜひ挑戦してみたいと思っています。