【インタビュー】2025年3月9日(日)西條秀都テノール・リサイタル

【インタビュー】2025年3月9日(日)西條秀都テノール・リサイタル

2025年3月9日(日)に東京・日暮里サニーホールコンサートサロンで「西條秀都テノール・リサイタル」を開催いたします。リサイタルに向けて西條秀都さんと伴奏の辰野 七々帆さんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。

インタビュー

今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。

西條さん:私は大学4年間、ドイツリート、特に連作歌曲集の演奏に力を入れて学んできました。声楽と言えばオペラももちろんいいですが、美しい言葉と旋律をピアノとともに立体的に表現するリートも素敵ですし、同時にオペラとは違った難しさがあります。
共演の辰野さんとは、リートをたくさん一緒にやってきました。特に「詩人の恋」は1曲1曲の色の違いをいかに引き出すか、曲間をどう使うか、2人で試行錯誤し、楽しみながら合わせています。終演後、1人でも多くの方に「リートっていいな」と思っていただけたら幸せです。

辰野さん:4年間の大学生活で、声楽の伴奏をたくさん任せていただきました。ピアノと歌が相互に色づけ合い、ひとつの音楽として形にしていく過程はいつもとてもわくわくします。伴奏を通して、声楽の楽しさ、素晴らしさを一番近くでこれでもかと味わった日々でした。聴いてくださる皆様にもその魅力を届けたいと心から思っています。

演奏する曲の聴き所などを教えてください。

西條さん:前半はシューベルトの作品を取り上げます。3曲ともゲーテの詩でまとめてみましたが、同じ人の作品とは思えないほど三曲三様の趣があります。
後半はシューマンの「詩人の恋」です。この作品は、歌はもちろんですがピアノが重要な役割を果たします。主人公の心情を描写したり、特定の和音や動機で伏線を引いたり。通しで聴くとまるで短編映画を見ているような感覚に陥ります。歌とピアノのみによって表現される一詩人の恋物語をお楽しみください。

辰野さん:前半のシューベルト 、後半のシューマンともに、歌とピアノの対話的な美しさに心惹かれます。
歌詞の直接的なメッセージに加え、それを支えるピアノも時には自らが話者となり、感情の機微を表現します。その繊細な変化にも耳を傾けていただけたら嬉しいです。

あなたにとって音楽とは何ですか。

西條さん:新しい自分と出会える場所です。「詩人の恋」もそうですが、音楽の世界では自分とは全く別の性格の人間になることができ、恋愛も喧嘩も時には非人道的な行為すら許されます。そんな「自分ではない自分」を生きられる自由は、音楽ならではだなと思います。

辰野さん:何かに例えるのはとても難しいですが、私にとって音楽はいつも自分のそばにある存在です。本番のための練習以外にも、気持ちが沈んだ時やなんとなく寂しい時、自分を励ますようにさまざまな音楽に触れます。たまに突き放されたり、自分の凡庸さを恨んだりもしますが、それらを含めて、音楽のない生活は考えられないと感じています。

演奏会情報

2025年3月9日(日)西條秀都テノール・リサイタル
会場:東京・日暮里サニーホールコンサートサロン
時間:16:30開演(16:00開場)
料金: 全席自由 2,500円

出演者

西條秀都
Tenor

9歳より声楽を始める。第3回国際声楽コンクール東京本選入選。第88回TIAA全日本クラシック音楽コンサート奨励賞。オペラ「クリストフォロス、あるいは『あるオペラの幻影』」(日本初演)に「アマンドゥス/エルンスト」役で出演。2024年現在、東京学芸大学4年次在学中。声楽を横山和彦氏に師事。

辰野 七々帆
Piano

5歳よりピアノを始める。第10回ヨーロッパ国
際ピアノコンクールin Japan全国大会ディプ
ロマ賞。第28回・30回・32回日本クラシック
音楽コンクール全国大会入選。2024年現
在、東京学芸大学4年次在学中。ピアノを中
野孝紀氏に師事。

曲目

F.シューベルト: ミューズの子
        最初の喪失
        ガニュメート
R. シューマン:歌曲集「詩人の恋」全曲