【インタビュー】2025年4月12日(土)小坂光&佐々木優実 デュオリサイタル

【インタビュー】2025年4月12日(土)小坂光&佐々木優実 デュオリサイタル

2025年4月12日(土)に東京・日暮里サニーホールコンサートサロンで「小坂光&佐々木優実 デュオリサイタル」を開催いたします。リサイタルに向けて小坂光さん、佐々木優実さん、角南ひまわりさんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。

インタビュー

今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。

【小坂さん】5年前に計画したデュオのコンサートが新型コロナウイルスの影響で中止になってから、2人での演奏会がいつできるだろうとずっと機会をうかがっていました。5年前と場所を変えてではありますが、ようやく実現することになりとても嬉しく思っています。当時は2人とも学生でしたが、社会人になり、さまざまな状況を乗り越えながら歌い続けてきた5年間をかみしめながら、そして私たちを支えてくださったみなさまに感謝を込めて歌います。

【佐々木さん】普段は日本の南西部に住んでいるため、東京でソロをご披露する機会は滅多にありません。今後一生あるかないかのチャンスが、小坂さんのお誘いによって叶います!その小坂さんとも長い付き合いになりました。合唱の仲間として出会った小坂さんと、デュオリサイタル……これも貴重で愛しい時間になることと思います。ご来場いただいた皆様と、この特別なひとときを過ごせることを楽しみに、精一杯努めます。

【角南さん】今回小坂さんにお誘いいただきこのような素敵な演奏会に出演できる事、とてもうれしく思います!私自身、普段あまり接することのない曲ばかりですが、お2人のお力添えが出来るよう精一杯演奏させていただきます。

演奏する曲の聴き所などを教えてください。

【小坂さん】「淡彩抄」は大木惇夫の詩を題材とした別宮貞雄の初期の作品であり、古い言葉遣いによって生み出される独特な雰囲気と繊細なピアノの旋律によって、はかない恋模様が描かれています。
Z. コダーイはハンガリー各地の民謡収集をライフワークにしながら音楽教育に取り組んだ音楽家として知られていますが、彼の作品のうち日本で演奏機会が多いのは「ハーリ・ヤーノシュ」「ガランタ組曲」といった管弦楽曲です。今回は彼の原点である民謡をもとにした歌曲をお届けします。ハンガリー音楽の独特な雰囲気を存分に味わってください。
4つの二重唱曲Op.61は、メーリケ、ゲーテといった著名な詩人やボヘミア民謡の詩を題材とした、変化に富んだ作品です。ドイツ・レクイエムや交響曲第1番と同時期に作曲され、美しい旋律とハーモニーが印象的です。数年来アンサンブルを共にしている2人のハーモニーをお楽しみください。


【佐々木さん】中原中也は既存の権威や秩序に対し、否定的・攻撃的な思想をもつ「ダダイズム」に属していた詩人。根底にダダの姿勢をとりながら、鮮烈な言葉とレトリックをもって日常風景を描いているのが特徴です。石井歓が付した音楽によって、より豊かに、そして神妙に彩られた中也の言葉の数々に、ぜひ耳を傾けてみてください。
「サーリコスキ歌曲集」は、フィンランドにおいて戦後最も偉大な詩人といわれているペンティ・サーリコスキの詩に、同じくフィンランドの現代作曲家カイヤ・サーリアホが神秘的な響きをセッティング。今回は1楽章、4楽章、5楽章を抜粋してお届けいたしますが、いずれの曲もまさしく自然そのものともいえるような、混沌渦巻くサウンドに没入してみてください!


【角南さん】今回は歌のソロ曲、デュオ曲のみの演奏会ですが、ピアノパートもとても大きな役割を受け持ちます。特に『ハンガリー民謡集』では、動物の鳴き声や場面の転換などがピアノで明瞭に表現され、『サーリコスキ歌曲集』では、本作品がもつ独特の和声感をピアノが担います。歌がとても素敵な曲ばかりですが、ピアノにも耳を傾けていただけたら幸いです。

あなたにとって音楽とは何ですか。

【小坂さん】自分のアイデンティティーに大きく影響を与えてきたものであり、これからもそうでありたいもの。
【佐々木さん】この社会で生きるためのツール。
【角南さん】私の人生になくてはならないもの。

演奏会情報

2025年4月12日(土)小坂光&佐々木優実 デュオリサイタル
会場:東京・日暮里サニーホールコンサートサロン
時間:19:00開演(18:30開場)
料金: 全席自由 2,500円

出演者

小坂光
Soprano

香川県出身。広島大学大学院教育学研究科音楽文
化教育学専修博士課程前期修了。現在、実践女子大学生活科学部生活文化学科助教。声楽を植田哲子、枝川一也、佐々木ひろ子、Judit Rajkの各氏に師事。
World Classical Music Awards 2022ロマン派部門金賞。第89回TIAAクラシック音楽コンサート審査員賞。リスト音楽院付属コダーイ研究所30th InternationalSeminarでMusic Pedagogy Course修了。

佐々木優実
Soprano

山口県山口市出身。山口大学人文学部人文社会学
科卒業。大分県立芸術文化短期大学音楽科声楽コース卒業、同短期大学専攻科音楽専攻首席修了。
第23回さくらぴあ新人コンクール第1位(さくらぴあ大賞)、第49回大分県音楽コンクール声楽部門大学の部第1位受賞。声楽を末廣正已、林満理子の各氏に師事。大分二期会正会員。

角南ひまわり
Piano

岡山県出身。岡山城東高校、広島大学教育学部第4類音楽文化系コース卒業。国立音楽大学大学院修士課程音楽研究科器楽専攻伴奏コース修了。ピアノを竹内京子、濱本恵康、加藤一郎、河原忠之の各氏に師事。現在、オペラやミュージカルの伴奏・編曲者として音楽活動を行っている。
ミュージカルレストランcafe & diner Offza ピアニスト。

曲目

別宮貞雄:淡彩抄
石井歓:『中原中也の詩による三題』より
 春と赤ン坊 / 汚れっちまった悲しみに
 月夜の浜辺
Z. コダーイ:『4つの歌曲』より ナウシカ
Z. コダーイ:『ハンガリー民謡集』より
 コケコッコーのお話し / 悪い妻 / ひとりぼっちの小鳥
K. A. サーリアホ:『サーリコスキ歌曲集』より
 自然の顔 / 私の中の鳥と蛇が / 霧を抜けて
J. ブラームス:『4つの二重唱曲』
 1. 姉妹 2. 修道女
 3. 現象 4. 愛の使い