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東京国際声楽コンクール

2020年度の第12回東京国際声楽コンクールをもって、本コンクールは終了しました。

よくある質問

2019.4.5更新

参加部門について

Q:私は何部門の参加に該当しますか?

A:過去の質問例に基づき、要綱の部門規定について例をあげて詳しく説明します。

■グランプリ・新進声楽家部門における「専門教育」の定義について
・専門性の程度は受験者の自己評価に任せます。音楽大学、または声楽専門課程などと限定せず、一般大学卒業で声楽レッスンを受講している方も含まれます。
・愛好者部門にも該当する方であっても、意欲をお持ちならばこれらの部門で受験することもできます。

■愛好者部門の受験資格について

【基本的な方針】資格の範囲を精密に規定することが困難なため、「アマチュア声楽家の部門」という理念に即した、受験者の良識ある判断に委ねます。
・プロ歌手には受験資格がありませんが、例えばプロ歌手が出演するオペラ団体の合唱に参加したとか、小さなソロ役を歌ったなど、アマチュア声楽家としての活動の範疇で謝礼を受け取っている事などは含みません。
・過去に音大声楽科を卒業した方であっても、活動を一定期間停止・中断している方などは、愛好者部門に出場できます(アマチュア向けの声楽講座などを除く「専門教育課程」に現在所属していないこと、プロ歌手活動をしていないことが条件です)。
・愛好者部門に該当しない「専門教育課程」とは、主に音楽高校・大学・大学院・研究科などの声楽専攻、およびそれらの卒業生を中心とするオペラ・声楽研修所などを指します。教育専攻などの場合は声楽の扱いがカリキュラムによって非常に幅がありますので、上記の基本方針に基づいてご判断ください。

■グランプリ・歌曲・オペレッタ・ミュージカル・重唱・アンサンブル部門の審査について
年齢制限のないこれらの部門は、原則的に年齢やプロ・アマなどの経歴によるレベルの差、その他の前提条件などには配慮せずに審査します。

■アンサンブル・高校生アンサンブル部門
この2部門は、原則的に小編成の合唱または重唱を扱うアマチュア団体を対象とします。

Q: 重唱は、重唱部門とアンサンブル部門の両方で対象となっています。その違いを教えてください。

A:まず、複数で歌う曲が重唱に含まれるかどうかの定義は、1パート1人で歌うか否か、という点です。アンサンブルという言葉の定義は、1パート1人でも良いし、複数でも良いと解釈しています。したがって(高校生)アンサンブル部門ではどちらも歌えますが、重唱部門は1パート1人の重唱に限る、ということになります。

では、なぜ重唱部門というものがアンサンブル部門から独立して存在するのか、という点を説明します。明確に線引きすることは困難ですが、「部門の性格」としては、以下のようにとらえています。

重唱部門=複数のソリストが同時に歌っている
アンサンブル部門=個々の声よりもハーモニーを重視する

この点を踏まえ、過去の出場者を振り返ると、以下のような傾向が見られます。

・重唱部門は、オペラやオラトリオの独唱歌手が複数で重唱したり、ミュージカル専攻の歌手が重唱ナンバーで参加する可能性などもある。
・アンサンブル部門は、アマチュアの室内合唱などが主に参加しているが、パート1人づつで重唱する場合もある。
・高校生アンサンブル部門も、小編成の高校合唱部が主に参加しているが、高校生同士による重唱曲で参加したケースもある。

時間について

Q:悪天候やスト等で交通機関が乱れた場合の遅刻・欠席は、どのように扱われますか?

A:【前日リハーサルを定刻に実施できなかった場合】振替の時間はとれません。公式伴奏者の場合はぶっつけ本番になる可能性もありますが、経験豊かな伴奏者ですので安心して普段と同じように演奏してください。

【当日定刻に来られない場合】同部門内で出場時間の移動が可能な場合は極力柔軟に対応しますが、確約はできません。まったく来られない場合は、審査会自体が中断・中止にならない限り棄権として取り扱います。ただし地区大会に限り、別会場日程が残っている場合は、可能な限り振り替え参加することができます。

Q:演奏時刻はいつわかりますか?

A:事務局から郵送する受験票に記載します。発送する期日は、要綱の日程欄に記載しています。

Q:発送日前に演奏時刻を教えてもらうことはできますか?

A:個々の演奏時刻は受験票発送日でなければ確定しませんが、地区大会は大まかな時間帯を日程欄に記載してあります。また准本選・本選は、日程欄に記載した部門順に実施します。各部門の所要時間は事前にお答えできませんが、「参考」として昨年の所要時間をお伝えすることはできます。

Q:演奏時刻の希望を言うことはできますか?

A:できません。

Q:公式伴奏者リハーサルの、時刻の希望を言うことはできますか?

A:【地区大会】原則的に夕方以降ですが、希望者数によって早まることもあります。どうしても時間が限定される場合は、その旨を別途ご連絡ください。できる限り配慮します。

【准本選・本選】申込書に「前日リハーサルの不可能な時間帯」を記入する欄があります。

課題曲について

Q:歌曲部門は、どの程度の範囲まで認められますか?カンツォーネや民謡などは該当しますか?

A:歌曲部門においては「クラシック音楽の歌曲」を、やや保守的に考えます。声楽発声かどうか、オペラ歌手が歌っているかどうか、という事ではなく、その作品自体がクラシック音楽のジャンルに含まれるか、という事を基準にします。したがって上記の各ジャンルは該当しません。ただし、マーラー・トスティ・ドニゼッティをはじめ、多くの作曲家が「方言の詩」に歌曲を作曲していますが、これらは民謡ではなく、歌曲として扱います。また、フランス語のサティーや、イタリア語のデンツァ・ガスタルドンの作品など、カンツォーネやシャンソンとの境界線上のものは「歌曲=クラシック音楽の芸術歌曲」という理念にしたがって、演奏の曲想や様式感などを含めて判断致します。

Q:重唱、アンサンブル部門の自由曲はどの程度まで認められますか?ゴスペラーズの「青い鳥」等のクラシックでもJ-POPでもないような曲は含まれますか?

A:これらの部門では、選曲範囲はかなり広く捉えています。ポップス系など、クラシック音楽に該当しない曲を合唱編曲したものも多いので、これらも含めます。なお、重唱部門で合唱曲を1人1パートで歌うことも可能です。

Q:オペレッタ/ミュージカル部門の選曲は「娯楽的音楽舞台劇全般」を対象とするとありますが、舞台化されている曲に限られるのでしょうか?

A:この2部門の基本的な選曲趣旨は、音楽劇のナンバーである、ということです。有名な曲であっても、たとえばTime to say good-bye などは「劇中の独唱曲」ではないために該当しません。

オペレッタ、ミュージカル共に多くの作品は舞台公演のために作られており、舞台のあとに映画化されてきました。しかしミュージカル映画の場合、最初に映画がつくられて、作品によっては後日舞台化されることも多く、「舞台劇」という枠のみに限定することが不合理な作品が多く存在します。ことにディズニーの作品などは、現在舞台上演の記録がなくても、今後舞台化される可能性があります。これらは上記のTime to say... とは異なり、劇中の独唱曲ですので、本コンクールの選曲範疇にも入れております。

Q:モテットは、本選の「オペラまたは教会音楽のアリア」に含まれますか?

A:モテットは時代や国により編成も形式も異なります。バロック以降では合唱曲を指すことのほうが多いのですが、モーツァルトの"exultate,jubilate" のようにソプラノ独唱曲もあります。合唱曲などを独唱編曲して歌うことは認められません。原作が独唱曲であることが求められます。

Q:コンサートアリアは、本選の「オペラまたは教会音楽のアリア」に含まれますか?

A:「演奏会用アリア」と邦訳されるコンサートアリアは、オペラ・教会音楽には該当しないので、自由曲扱いです。

Q:オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲、一般にマスカーニのアヴェマリアと呼ばれる曲はアリアに該当しますか?

A:間奏曲になっているAve maria は、マスカーニのオペラとは別に、歌曲として別人が歌詞をつけたものですので、分類としては歌曲に該当します。

Q:ムソルグスキーの「蚤の歌」の日本語訳の歌詞、スメタナの「売られた花嫁」のアリアのドイツ語訳の歌詞などでも、参加は可能ですか?

A:演奏言語を複数許可している主な例は要綱本文にも表で示しました。上記の例は、どちらも日本国内では普及しているものですが、参加できません。

「複数言語が国際的に普及している」という条件について説明します。まず、上演国の言語は含まれません。つまり、イタリアオペラを日本で日本語上演、アメリカで英語上演することではありません。「原語以外の言語の歌詞が各国に普及しているかどうか」、という点が問われます。例えば、《ドン・カルロ》や《連隊の娘》などの原語はフランス語ですが、イタリア語訳はイタリアだけではなく世界中で歌われています。このような例と比較すれば、質問例の2曲における、日本語・ドイツ語などは「各国に普及」と見なすことはできません。

Q:フランスには、たとえばオペラ・コミックの一部の作品などに、オペレッタとの境界線上と思われるアリアもあります。これらをオペレッタ部門で歌うことはできますか?

A:フランスにはオッフェンバックの作品など、オペレッタと明確に分類されるジャンルがあるので、オペラ・コミックは、分類がどちらか?といえば、オペラアリアにはなるだろうとは思います。ただし、当コンクールの方針は原則的に作品のカテゴリーを広めに設定することですので、音楽学上の分類ではなく、演奏者がどちらのカテゴリーで歌いたいか、どういう点をアピールしたいか、という「部門の性格」の方を重視したいと思います。

具体例をあげれば、《マノン》のガヴォット、《ホフマン物語》のオランピア、オーベールの 《マノン・レスコー》のアリアなどは、アリア自体の性格に娯楽的音楽劇であるオペレッタの要素は明らかに混在していますので、オペレッタ部門にも馴染む曲ではないかと思われます。一方、《カルメン》もオペラ・コミックではありますが、このアリアをオペレッタ部門で歌うことには、かなり違和感があるでしょう。なお、もし日本語で歌う場合はオペレッタ部門に限られます。

声種について

Q:性別・女性が、声種・テノールを選択し出場することは可能ですか?

A:女性がテノールというのは、「裏声」ではなく「地声」で歌う、ということでしょうか?ときおり混声合唱で、テノールパートを女性が地声で歌うケースを見かけますが、独唱の声楽で認知されるのは難しいと思います。

Q:自分が申告した声種以外の声種に指定されているアリアを歌うことは可能ですか?

A:曲が声種を指定するのは、ほとんどがオペラ・オペレッタ・ミュージカル・オラトリオなどの「アリア」の場合ですが、多少のグレーゾーンを含みます。「イタリア歌曲集」収録曲のように、もともとはオペラアリアであっても長い年月、歌曲として取り扱われ、全声種の歌手が都合いいように移調して演奏しているものや、モーツァルトのオペラのケルビーノやドラベッラのように、オペラ公演ではメゾソプラノが歌う曲でも、教育目的としてソプラノが扱う事が普及している作品もあります。あるいは男声(女声)用と指定されているか、伝統的にそういう扱いをされている歌曲(「冬の旅」を男声、「女の愛と生涯」を女声が歌うなど)を、異性が歌う事もあります。またカウンターテナーの場合は、カストラートの為に書かれたアリア以外の近代作品などを歌う時には、ほとんどが声種指定と異なるものになるでしょう。当コンクールでは、これらのグレーゾーンはすべて広く解釈して該当範囲を広げます。ただし、現代でも全曲公演されているオペラ等のアリアにおいて、作曲家の声種指定が明快に定着しているものを、他の声種の人が歌う事は認めません。



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