東京国際管弦声楽コンクール

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第1回東京国際管弦声楽コンクール
入賞者インタビューInterviews

第1回東京国際管弦声楽コンクールで入賞された方にインタビューをしました。※一部を抜粋して掲載しています。※プロフィールは掲載時のものになります。

ミュージカル部門 一般の部 第1位 大根田 岳 さん

ミュージカル部門 一般の部 第1位
大根田 岳 さん

2000年生まれ。小学1年生の頃にミュージカルと出会い、どハマりする。その直後から児童劇団に所属しつつ小学校では合唱部、中学校では演劇部に所属する。2021年4月に舞台芸術学院を卒業し、現在はフリーの俳優としてミュージカルを中心に活動。

この度コンクールご入賞、おめでとうございます!入賞されたお気持ちを聞かせてください。
――とても驚きしました。それと同時に本当に嬉しかったです。最後にコンクールに出場したのは4年前の高校3年生の時で、その時の感覚を忘れてしまっていたので、とにかく緊張感を持って臨みました。どの方も音楽が好きだということ、歌われている歌が好きだということが物凄く伝わってきて、沢山の刺激を頂きました。そんな魅力的な方々と出会えた事も嬉しかったですし、そんな方々の中から一位に選んで頂けた事をとても光栄に思います。今回の経験を糧に、益々精進していきたいと思いました。

より良い音楽、演奏のために普段から心がけていることはありますか。
――これはミュージカル曲特有のこだわりなのですが、兎に角歌詞を語り届ける事を心がけております。『喋るように歌い始め、気がついたら歌となって盛り上がっている』ように、台詞だったのが気づいたら歌になっているのがミュージカル曲の醍醐味だと僕は思っています。また聴き手の1番のストレスは『歌詞が聞こえないこと』だとも思うので、歌詞を丁寧にお届けできるよう、且つ発音や発声が不自然にならないよう丁度いい塩梅を探り続けています。これは歌やミュージカルを続けている限りとことん探求し続けていきたいです。

最近のマイブームは何ですか。
――最近のマイブームは歩く事です。お天気が良くて時間があれば、40分くらいかかる距離でも歩きたくなります。音楽を聴きながら、レッスンや稽古のダメ出しを思い返しながら、歌ったりもするのですが、マスクをしているので周りの方にはバレていない…はずです笑。また先日友人と公園の芝生で日向ぼっこしたひと時が最高に心地よかったので、マイブームになりそうな予感がしています。

ミュージカル部門 大学生の部 第1位 加藤 遼河 さん

ミュージカル部門 大学生の部 第1位
加藤 遼河 さん

現在、国立音楽大学声楽専修3年次 歌曲ソリスト・コース在学中。3歳よりピアノ、12歳よりオーボエ、15歳より声楽を始める。これまでに声楽を村田佳子、久保田真澄の各氏に師事。第1回東京国際管弦声楽コンクール ミュージカル部門大学生の部 1位・東京新聞賞受賞。第1回&第2回 国際声楽コンクール東京 ミュージカル部門 本選入選。第4回K声楽コンクール 本選優秀賞受賞。

この度コンクールご入賞、おめでとうございます!入賞されたお気持ちを聞かせてください。
――先ずはこのような賞をいただくことができ、とても光栄に思います。昨年も今年もミュージカルコンクールを数回受けてきましたが、なかなか結果に繋がらずにいたため、今回部門1位をいただけたことは大変嬉しく自信となったことはもちろん、いただいた課題が今後の練習において大きな励みとなりました。

本選での選曲について、選曲理由、作品の聴きどころについてお聞かせください。
――1曲目に演奏させていただいたルドルフの「私という人間」についてですが、現在私は大学でドイツリートを中心に勉強をしているため、今回はウィーンミュージカルのドイツ語原語歌唱に挑戦したいと考えていました。その下で、ルドルフが私の大好きな作品である「エリザベート」の息子であり、自分の中で人物像をイメージしやすい点からこの作品を選びました。
今までの優柔不断な自分に別れを告げ、強い人間に生まれ変わる彼の固い決意が、サビのオクターブ跳躍に乗せて表現されているため、内容と音楽の強い繋がりが聴きどころであると思います。
2曲目のファントムより「母は僕を産んだ」は、城田優さんの歌唱を初めて聴いた時に、旋律の展開とオラトリオ的歌詞がなんと美しいのだろうと感じ、瞬間的に必ずどこかで演奏をしたいと即決しました。
クリスティーヌに顔を見て逃げられてしまったエリック(ファントム)が、自身の醜さと彼女への深い愛を亡き母に向けて訴えかける姿が歌われているこの曲では、その容姿から怪人と呼ばれている彼の、母とクリスティーヌに対する繊細で美しい純愛心が、神秘的な旋律に乗せて強く響き渡る点が聴きどころであると感じます。

より良い音楽、演奏のために普段から心がけていることはありますか。
――言葉を大切にしています。私は歌う際に言葉が音に潜ってしまうことがあり、特にドイツリートなどでは、先生に「何を言っているかが伝わらない」とのご指摘をいただきます。言語は母音や子音のニュアンスが少し違うだけで全く意味の異なる単語になってしまうため、詩を何度も朗読し、言葉に音程をつけるイメージで歌うことを心がけています。

ミュージカル部門 高校生の部 第1位 梁 世姫 さん

ミュージカル部門 高校生の部 第1位
梁 世姫 さん(ヤン セヒ)Sehee Yang

加藤学園暁秀高等学校1年バイリンガルコース在学中。3歳よりヴァイオリンを始め、6歳で第一回日本香港国際音楽コンクールヴァイオリン部門初級第3位受賞。小学3年生の時に児童劇団大きな夢に入団。以後、同劇団の舞台に多数出演。2019年ミュージカル「アニー」孤児役出演。第35回童謡こどもの歌コンクール大人部門グランプリ大会出場。2021年第一回国際声楽コンクール東京 ミュージカル中学生部門第一位。趣味は、ジャズダンス、書道、空手(黒帯)

この度コンクールご入賞、おめでとうございます!入賞されたお気持ちを聞かせてください。
――結果を知ったときは呆然とし、最初は喜びの感情が湧きませんでした。私自身困惑した感情のまま、母のもとへ向かい、指で1を示しました。母も最初は、?マークが頭の上に浮かんで見えるほど困惑していましたが、やっと理解できて、泣きながら、おめでとう!!と抱きしめてくれました。その後おばあちゃんやお世話になった方々、応援してくれたお友達に順に電話で報告していくうちに「あぁ、1位取れたんだ!」とやっと実感が湧いてきました。今でもまだ信じられない気持ちですが、練習のときに撮ったたくさんの動画を見返しながら、頑張ってきたからこそ、結果がついてきたんだなぁと嬉しい気持ちでいっぱいです。

本選での選曲について、選曲理由、作品の聴きどころについてお聞かせください。
――本選で歌ったミュージカルミス・サイゴンの「命をあげよう」は、今年の夏に初めてミュージカルを観劇し、この曲がとても心に刺さり、いつか自分も歌ってみたい憧れの曲のひとつとなりました。普段、元気でテンポの良い歌をよく歌うので、情感溢れるゆっくりした曲は、私自身ハードルが高いと感じていました。選曲過程でも、とても悩みましたが、まだ高校1年だし、今年は賞を狙いにいくことよりも自分自身が成長することを大事にして、難しいと思っていることに挑戦する気持ちを第一に選曲しました。私はまだ子を持つ母の気持ちはわかりませんが、キムの愛する息子、タムに対する思いを精いっぱい想像しながら練習を重ね、本番では、あふれる感情を歌声に乗せて表現できたと思います。

より良い音楽、演奏のために普段から心がけていることはありますか。
――私は普段、歌を、私自身が感じたままに歌っています。これは決して意識しているわけではなく、メロディーに乗って溢れる歌詞やメッセージを、つぶやくイメージでただただ自然に歌っています。楽譜を読み直して音程やリズムを正確にとること、p、f、クレッシェンドなどの、作曲家の意図や思い、指示をしっかりと受け止め表現することも、もちろん大切だと思っています。プロの舞台俳優さんが歌っている動画やCDを研究して真似ることも時には上達の手段だと思います。ですが、楽譜という形のあるものや、誰かが既にやったことに縛られないで、自分らしく、一番自然な歌い方をすることで、お客様に歌い手の想いが素直に届くと思っています。私は、その大きな一歩目が踏み出せてから、ビブラートをかける位置や動作など、細かい部分に気を払いながら練習しています。

練習以外に音楽と向き合うためにしていることがあれば教えてください。
――音楽と向き合っているのかは分かりませんが、家では常に歌っています。同じ曲のワンフレーズのみを何十回も歌い、母に「家で歌禁止令」が出されたほどです。自分で録音して聞きながら、違う歌い方を試してみたり、本家に似せてみたり、キーを変えて裏声で歌ってみたり、アクセントのつけ方を変えてみたり、寝ているとき以外はずっと歌っています。歌うジャンルもJpop、Kpop、Jazz調の音楽もありますし、時には演歌っぽい曲も歌います。いろんな曲に触れて歌ううちに、幅広い表現が身につき、一曲の歌にもいろんな音色を組み込めるように、表現の幅が広がったように感じます。

声楽部門 新進声楽家の部 第1位 鷹野 景輔 さん

声楽部門 新進声楽家の部 第1位
鷹野 景輔 さん

千葉県市川市出身。東京藝術大学声楽科卒業、同大学大学院修士課程声楽専攻修了。これまでにベートーヴェン「第九」ソリスト、オペラ「ラ・ボエーム」ロドルフォ役、「愛の妙薬」ネモリーノ役、「魔笛」タミーノ役、「ドン・ジョヴァンニ」ドン・オッターヴィオ役などを務める。サントリーホール オペラ・アカデミープリマヴェーラ・コース第4期生修了。声楽を河野克典、川上洋司、萩原潤、田口昌範の各氏に師事。

この度コンクールご入賞、おめでとうございます!入賞されたお気持ちを聞かせてください。
――普段の練習でたくさん試行錯誤し、うまくいかないことの方が多く苦しむ中、このように一つ結果を頂けたことを素直に嬉しく思います。これを励みに、自分の歌や音楽に対しより一層深く向き合い、演奏者として大成できるよう精進したいです。

本選での選曲について、選曲理由、作品の聴きどころについてお聞かせください。
――本選での歌唱を想定し、自身の歌の持ち味はどこにあるかを今一度考え、迫力ある高音で勝負するよりは、フレージングを美しく紡いでいく曲の方が望ましいと思い、今回の2曲を選曲いたしました。特に《愛の妙薬》は、自分が初めて演じたオペラであり、大変思い入れ深い曲でした。

最近のマイブームは何ですか。
――お笑い芸人のトークバラエティにハマっています。ネタがなかなか評価されない下積み時代や、求められるものとやりたいものの差異で苦悩している事など、多くの点で歌手に共通する悩みを抱えて今活躍されているのだなと共感する…という綺麗事は置いておいて、ただただ面白くて笑っています。

声楽部門 高校生の部 第1位 大前 桜 さん

声楽部門 高校生の部 第1位
大前 桜 さん

3歳より、ピアノ、エレクトーン、バレエを、15歳より、声楽を学ぶ。東京音楽大学附属高等学校2年在学中。第一回ぼくのうたわたしのうた、「スタートライン」作詞作曲 金賞受賞。第1回東京国際管弦声楽コンクール 声楽部門高校生の部第1位・東京新聞賞。同コンクールミュージカル部門第4位。国立音楽大学附属中学校・高等学校第14回招待演奏会出演。第76回全日本学生音楽コンクール東京大会第2位 全国大会入選。

この度コンクールご入賞、おめでとうございます!入賞されたお気持ちを聞かせてください。
――自分の信念で難曲に挑戦して、それを評価頂けたことが、とても嬉しいです。毎回、頂いた講評を読んで、また明日からも頑張ろう、と前向きな気持ちになれました。

本選での選曲について、選曲理由、作品の聴きどころについてお聞かせください。
――自分の今の技術で出来る範囲の曲を、師事している先生と決めました。
ルチアの心情が美しいメロディーと共に、どんどん変化していくところが、素敵だと思います。

より良い音楽、演奏のために普段から心がけていることはありますか。
――舞台や演奏会に沢山足を運ぶことと、音楽高校の毎日の授業、レッスンを大切にすることです。

思い出のレッスンはありますか。
――音楽高校の体験レッスンで、初めて今師事している先生に出会ったレッスンです。先生の素晴らしい歌声、伴奏者の先生の美しいピアノの音色、初めての歌のレッスンがとても楽しかったのを今でもよく覚えています。

練習以外に音楽と向き合うためにしていることがあれば教えてください。
――沢山、色々な音楽を聴いています。音楽高校なので、友達に様々な楽器の演奏家がいて、彼らの演奏がとても刺激になります。そして、私に沢山のアドバイスをくれます!

最近のマイブームは何ですか。
――抹茶アイス、アジリタの練習。

弦楽器部門 大学生の部 第1位 雁瀬 心生 さん

弦楽器部門 大学生の部 第1位
雁瀬 心生 さん

桐朋女子高等学校音楽科に在学中、学内成績優秀者によるstudent concert 及び 卒業演奏会に出演。第30回日本クラシック音楽コンクール高校生の部 第5位。第15回 セシリア国際音楽コンクール 高校生の部 第3位。第42回 全日本ジュニアクラシック音楽コンクール大学生の部 第1位。同大学 student concert に出演。現在桐朋学園大学に在学中。

この度コンクールご入賞、おめでとうございます!入賞されたお気持ちを聞かせてください。
――驚きましたが、とても嬉しいです。

より良い音楽、演奏のために普段から心がけていることはありますか。
――練習は楽しいことばかりではありませんし、本番も常に緊張と不安が伴いますが、なるべく楽しんで弾けるように、楽しんで聞いていただけるようにと意識しています。

練習以外に音楽と向き合うためにしていることがあれば教えてください。
――色々な人の演奏を聞いてみたりしてインスピレーションを得ることは多いです。
また、曲に対してのイメージを膨らますために様々な映画を見たり、オペラを見たり、絵画を見たりしています。
歩んできた人生の中でどうしても自分じゃ体験できないことが多くあるので、その物語に入り、主人公になりきることで得られる新しい感情があるのではないかと思います。

弦楽器部門 高校生の部 第1位 廣田 稜司 さん

弦楽器部門 高校生の部 第1位
廣田 稜司 さん

7歳よりヴァイオリンを始める。第76回全日本学生音楽コンクール大阪大会高校の部第2位、全国大会入選。第15回国際ジュニア音楽コンクール第1位。第9回あおによし音楽コンクール一般ステージ高校生の部第1位及び京都市長賞等、数々のコンクールで入賞。佐渡裕とスーパーキッズオーケストラ在籍。近藤昌子、大谷聡子、漆原啓子、漆原朝子、福田廉之介の各氏に師事。

この度コンクールご入賞、おめでとうございます!入賞されたお気持ちを聞かせてください。
――第1回目の新しいコンクールで1位を頂くことができ、凄く光栄です。優勝は目指していたものの結果が分かった時は内心ビックリしました。

より良い音楽、演奏のために普段から心がけていることはありますか。
――色んな人の演奏動画を参考に聴きながら「自分ならこういう音を出したいな」と大雑把ではあるんですが自分の理想の音をイメージさせて、それを練習の時にその音が出るようにしています。
感情的に考えることも多くて、「何の苦しみもない心澄んだ感じで弾きたい」とか、「我慢していた感情が漏れて何かに訴えかけているように弾きたい」っていう感じで、表現面でどういう風に弾くかを大まかに考えて練習したりしています。
とりあえず自分がどう弾きたいか何かしら工夫して、お客様が聴いていて飽きない音楽を作る事を心がけています。
最終的にはお客様に最高の音楽を届けられることが1番大事だと思うので精一杯演奏しています。

最近のマイブームは何ですか。
――中学の地元の友達と遊ぶことが1番息抜き出来る時間だなと思います。受験勉強との両立が難しく、限られた時間ではあるんですけど、だからこそ、その中で地元の友達と遊ぶ時間って最近改めて幸せなんだなと感じています。受験が終わったら卒業旅行もみんなで考えているので楽しみにしています。
スーパーキッズオーケストラの本番もいつも楽しみにしています。2021年から佐渡裕とスーパーキッズオーケストラに在籍していて、みんなが1つの音楽に向かって作り上げていっていてその中で刺激もたくさんもらい、凄く恵まれた環境で、みんな仲良くて本当に楽しいです。
1月15日 【神戸国際taiko音楽祭 2023】
2月5日 【スーパーキッズオーケストラ 明石公演】
などの公演もあるので良ければ是非お越しください!
またフィギュアスケートが好きで、高校1年生の時に始めて今はクラブチームに入っています。最近は受験勉強であまり練習には行けていないんですが、3月中旬に初めての試合もあるので、受験勉強が終わったら練習に励みたいと思います。