第38回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール審査員所感Message from judges
東京国際芸術協会会長、東邦音楽大学特任教授太田幸子先生から総評をお寄せいただきました。今後コンクールにご応募を予定していらっしゃる親御様、御本人、また生徒の参加を予定していらっしゃる先生方への貴重なメッセージとなっております。
総 評
第38回、全日本ジュニアクラシック音楽コンクールは、本来ならば3月実施予定でありましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、8月に延期となり全日程を無事終了致しました。
コンクール開催にあたり、日程調整、感染予防対策等、多岐にわたり繊細な心配りされたスタッフの皆様に感謝申し上げます。又審査員の先生方に多大なご協力を、賜りました事を厚く御礼申し上げます。
今回私は、高校1年生・2年生の部を担当致しました。例年より欠席者が多く、1年生1人欠席で14人参加。2年生4人欠席で14人参加。1年生に於ては、今年の様に自粛で時間に余裕が出来た時、伝記、音楽史等、本に親しむことをお薦め致します。又音に対し、より敏感であって欲しいと思いました。単にfの音であっても、深く、エネルギーのある幅広い音色等…表現出来ると、観衆に感動を与えることが出来るでしょう。
1・2年生共に、大学生の部と思われる様な大曲・難曲が並び、特に2年生に於て、卓越したテクニック、豊かな表現力、時代様式を研究された方が多数あり、印象強く残り、レベルの高さを感じました。令和2年は、世界中が新型コロナウイルスの、未だに先の見えない不安に恐れを感じる中、だれもが音楽にいやしを感じている事でしょう。
大学に於てもオンラインを導入しました。オンラインは授業には適しておりますが、音楽の為に作られたものではない為、色々と問題も生じてきます。音の遅れ、雑音等…ツールによっても違いがあるでしょう。芸術大学の教育には、不向きであり、対面レッスンに勝るものはありません。1日も早い終息を願うばかりです。
今後も東京国際芸術協会では、各コンクール参加の皆様、審査員の先生方、スタッフの御健康と安全に万全を期して行く所存でございます。次回も皆様のご健闘をお祈り申し上げます。
コンクール開催にあたり、ご尽力頂きました関係各位の皆様に心より厚く御礼申し上げます。
一般社団法人東京国際芸術協会 会長
東邦音楽大学 特任教授
太田 幸子