第42回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール審査員所感Message from judges
東京国際芸術協会会長、東邦音楽大学特任教授太田幸子先生から総評をお寄せいただきました。今後コンクールにご応募を予定していらっしゃる親御様、御本人、また生徒の参加を予定していらっしゃる先生方への貴重なメッセージとなっております。
総 評
第42回全日本ジュニアクラシック音楽コンクールが三寒四温の中、4月3日をもって、全日程を無事終了致しました。
新型コロナウイルスオミクロン株が、全国各地に蔓延し、濃厚接触者認定によりコンクールに出場出来なかった皆様、保護者の皆様、審査員の先生方でも、開催直前に交代せざるを得ない状況等、新型コロナウイルス禍の開催の中でも、前例のない事態が発生致しました。多くの皆様にご理解、ご協力を賜りました事、関係者を代表致しまして厚く御礼申し上げます。
今回のコンクールの特徴は弦楽器部門が小学生・中学生・高校生と学年毎の部に分割して開催されました。弦楽器部門も大変レベルが高く、情熱溢れる熱戦が繰り広げられました。回を重ねる毎にエントリー者が増え、今回も2000件を上回りました。
私は高校3年生を担当致しました。参加者は17名、2名欠席でした。
最近は全国大会ともなると、すべての部門において、大曲、難曲が並び、テクニック、表現力も豊かな演奏が多くなり。近年の芸術教育のレベルが大変高くなっております。今回高校3年生の部においても、皆様よく練習、研鑽を積まれ、ご自分の個性として表現された演奏が出来ており、上位入賞者はほとんど点数の差もなく接近しておりました。ハイレベルの素晴らしいコンクールであったと思います。昨年のショパンコンクールでの日本人の快挙に続く方々が出て下さる事を願っております。
又研究において、練習する曲全てに行うのが理想的ですが、なかなかその時間を確保する事は難しいため、試験・コンクール・演奏会等の大事な曲だけでも、作品ノートとして記述する事をお薦め致します。内容として、①作曲家について②時代様式(楽器の変遷含む)③演奏する曲のアナリーゼ④作品に対する自分の考え、又演奏に臨む自分の気持等をまとめておく事も大事な事です。
次回も皆様のご健闘をお祈り申し上げます。コンクール開催にあたり、ご尽力頂きました関係各位の皆様に心より厚く御礼申し上げます。
一般社団法人東京国際芸術協会 会長
東邦音楽大学 特任教授
太田 幸子