第43回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール審査員所感Message from judges
東京国際芸術協会会長、東邦音楽大学特任教授太田幸子先生から総評をお寄せいただきました。今後コンクールにご応募を予定していらっしゃる親御様、御本人、また生徒の参加を予定していらっしゃる先生方への貴重なメッセージとなっております。
総 評
第43回全日本ジュニアクラシック音楽コンクールが、9月3日(土)より10月8日(土)をもって全日程を無事終了致しました。
未だにコロナ禍の開催であり、又週末には大型台風襲来と悪条件ではありましたが、皆様のご理解・ご協力を頂きまして、何事もなく終了出来ました事を、厚く御礼申し上げます。
今回のコンクールの特徴と致しまして
①予選免除・飛び級制度が廃止となり、皆様予選からのご出場になりました。
②総数1,300件以上の申し込みを頂きました。
私は高校3年生を担当致し、全国大会出場者は23名でした。例年高校3年生ともなると、大曲が並んでおりますが、今回残念ながら第1位、第2位の該当者がなく、第3位1名が最高位でした。第4位が4人、第5位が4人と点数では接近した結果になりました。
今年の高校3年生を聴かせて頂き、全体的に大曲を選曲しすぎたのか、技術的に十分弾き込まれていないのは残念でした。又音楽的に豊かな歌心であっても、音色として作曲家の意図する表現に届かないのは、今後の課題になるでしょう。舞台でご自分の実力を発揮するにはイメージを持ち、冒頭の入り方を意識し、十分に弾き込む事が一番大切であると思います。1回1回の大事な場面で、ご自分の力を個性豊かに最大限表現し、常に追求心、研究心を持ち、成長されていかれます事を願っております。
次回も皆様にとって、緊張感の中にも貴重な経験につながりますよう、ご健闘をお祈り申し上げます。
コンクール開催にあたり、ご尽力頂きました関係各位の皆様に心より厚く御礼申し上げます。
一般社団法人東京国際芸術協会 会長
東邦音楽大学 特任教授
太田 幸子