第44回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール審査員所感Message from judges
東京国際芸術協会会長、東邦音楽大学特任教授太田幸子先生から総評をお寄せいただきました。今後コンクールにご応募を予定していらっしゃる親御様、御本人、また生徒の参加を予定していらっしゃる先生方への貴重なメッセージとなっております。
総 評
今年は例年より一足早く春のおとずれを感じましたが、第44回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会が、三寒四温の中で4月2日をもって全日程を無事終了致しました。
近年の中では新型コロナウイルスの影響が最も少なく、全体的に出席率が高いコンクールになり、申込み総数も2,050件を上回り熱戦が繰り広げられました。
第44回大会の一部規定変更として、
①ピアノ部門(大学生の部)、フルート部門(高校生の部)を学年別に変更いたしました。
より公平性の高いコンクールを目指して参ります。
②高校生の部の年齢上限を19歳未満から21歳未満とし、大学受験浪人生の方が高校生の部の該当者になりました。
ご自分の目標に向け、自信と実力をつけるために、挑戦する大変良い機会が設けられたと思います。今回のコンクールにおいて、曲目の記載事項も、おおむね出来ておりました。又違反曲等もなく、大変レベルの高いコンクールであったと思います。私は高校3年生を担当致し、欠席者1名を除き、19名が参加されました。大曲が並んでおりましたが、皆様よく練習を積まれており、全体的にテンポの設定が良く、丁寧な表現で、テクニックも充実しており、響きのある音色が印象的でした。
今回の上位入賞者は、第1位1名、第2位1名、第3位2名、第4位4名、第5位2名の結果でした。皆様好演でしたが、より積極的な演奏だとアピール度が高まったと思う方もあり、次回を期待したいと思います。
現代の教育の中で、「人間力」と言う言葉をよく耳に致しますが、正に芸術の道は、人間力を養う上で一番適切であると考えます。ご自分の専門分野の知識を集合させ、それを実力という型で発揮出来るまでの努力、忍耐が人間力としての源になる事でしょう。次回も皆様のご検討をお祈り申し上げます。
コンクール開催にあたり、ご尽力頂きました関係各位の皆様に心より厚く御礼申し上げます。
一般社団法人東京国際芸術協会 会長
東邦音楽大学 特任教授
太田 幸子