第36回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール参加者の声Voice of participants
全日本ジュニアクラシック音楽コンクールで入賞された方よりメッセージをお寄せいただきました。※一部を抜粋して掲載しています。
弦楽器部門 高校生の部 第1位 鳥羽咲音さん
コンクールに参加しようと思ったきっかけを教えてください。
――3月末に初ソロリサイタルを控えており、家でひたすら練習するよりも舞台に立って演奏をする方が緊張もしますし、良い経験にもなるので受けました。最終的には賞を頂けてとても嬉しかったのですが音楽家にとって一番大切な事は本番を積んでいくという事だと思います。このコンクールでは3箇所違うホールで演奏できますし、審査員の先生方の丁寧なコメントも頂けます。でも地区予選では10分演奏できると思って準備をしていったのですが参加者多数のため4分しか演奏できなかったのは残念でした。
コンクール当日の思い出をお聞かせください。
――前々回に続き今回は高校生部門を中学2年(飛び級)で受けた時はとても緊張しました。また演奏いたしました曲が小品集とソナタの2楽章でしたのでどうなるか心配でしたけれども曲らしさを出せるよう心がけました。
これからコンクールを受ける皆様に一言お願いします。
――コンクールではまず自分が表現したい音楽を出すことが一番だと思います。自分の個性や作曲家の内面を探っていってそれを1つ1つの音に出して演奏することを私は心がけています。今回私が全国大会で演奏しましたドボルジャークの森の静けさの場合、本当の森の中を散策してその静けさ、その闇、動物たちがチョロチョロ動く様子をもっと表現できたらよかったなと思います。またショスタコーヴィッチのソナタの場合その時代の背景にある政府への反体制や皮肉など、芸術家に対する弾圧などをもっと調べることも必要です。このように曲の練習だけではなくその曲に関わるあらゆる面の経験、体験、知識があると演奏する曲に深みが出てくると思います。
最後に今後の目標を教えてください。
――今後は演奏会でのトークをもっと研究したいと思っています。作曲家の裏話なども興味深く読んでおります。昨年の12月に東京国際芸術協会管弦楽団と初めて共演してオーケストラデビューをいたしました。そして今年の10月8日にはサントリーホールで日本フィルハーモニー交響楽団とチャイコフスキーのロココ変奏曲を演奏してデビューいたしますので応援してくださりましたら大変嬉しいです。
弦楽器部門 小学生高学年の部 第1位 梶谷茜さん
コンクールに参加しようと思ったきっかけを教えてください。
――小さな頃から人前で演奏するのが好きで、幼稚園の思い出にとキッズ部門から受けていました。お兄さん、お姉さんたちが大きなトロフィーやディズニーパスポートをもらっている姿が羨ましくて、私もいつかほしいなと思い頑張ってきました。今回、夢が叶ってうれしいです。
コンクール当日の思い出をお聞かせください。
――ステージに向かう時は、楽しみと期待と緊張する気持ちなどで、いつも顔が熱くなってしまいます。良い音色が出せて思い切り表現できた時はうれしくて、もう少し長く舞台の上で演奏していたい、と思います。
演奏するときに気をつけていることを教えてください。
――全日本ジュニアクラシック音楽コンクールは、あたたかい拍手をいただけるので、お客様に感謝して弾くように心掛けています。
最後に今後の目標を教えてください。
――弾いてみたい曲や、憧れの曲がたくさんあるのでチャレンジして弾けるようになりたいです。読書をしたり、自然に触れたりして、想像力をさらに膨らませたいです。そして、自分の音楽を表現できるようこれからも勉強していきたいと思います。
作曲ソロ部門 高校生の部 第1位 久保田草太さん
音楽を始めたきっかけとコンクールに参加しようと思った契機を教えてください。
――私は高校ではピアノを専門、作曲は副科として、学習してきました。私が音楽を始めたきっかけは、幼稚園の時にスーパーピアノレッスンというテレビ番組を見て、魅力を感じたためです。私は、高校在学中に、作曲的な観点からみた表現や、作曲家の意図したことを演奏に応用することに対して、非常に積極的になったと実感しております。同時に、自分が音楽家として生きていくために、なにができるのかを考えるようになりました。そして考えた結果、私は、ピアノ、作曲を両立した音楽家になりたいと思うようになりました。大学では作曲を専攻します。そのための力試しとして、また高校三年間で学んだことの集大成として、本コンクールに挑戦した次第です。
これまでのレッスンでの思い出はありますか。
――私が在学していた高校では、ピアノの実技に特化したコースに所属していたこともあり、先生方も熱心に指導をしてくださったため、質の高いレッスンを受けることができました。それだけに、自分が作曲を勉強するために外部の大学に行くことを先生に伝えることについて、大変悩みました。しかし、先生方からは前向きなアドバイスを頂きました。自分が思っていることを、先生方に伝えて、先生方がそれに向き合って寄り添ってくれたことに、本当に感謝しております。
最後にあなたにとって音楽とはなんですか。
――私にとっての音楽とは、自分の感情や考え方、気分次第で、変わっていくものだと思います。自分の考えた音楽を、相手に伝えて共有するということは、とても素晴らしいことです。しかし、うまく伝わらない時もあります。私は、音楽に対して持っている感情や意思を、相手に正確に伝えることが、音楽家の使命の一つだと思います。それができる音楽家になれるように頑張ります。
フルート部門 大学生の部 第1位 菅野友実さん
音楽を始めたきっかけとコンクールに参加しようと思った契機を教えてください。
――私が音楽を始めたのは、小学校4年生の時でした。その頃から音楽が大好きで合奏部に所属しており、中学校入学と同時に吹奏楽部でフルートを始めました。中学・高校と毎日部活が忙しく、コンクールを受ける暇などありませんでした。初めてのソロコンクールが高校2年生と、少し遅いスタートでしたので舞台経験をもっと積みたい、色々な方に私の演奏を聴いて欲しいと思い、大学1年生の時から受けています。
コンクール当日の思い出をお聞かせください。
――コンクールでは、吹いていてとても気持ちよかったです。中学時代の恩師から、「緊張を集中力に」と言われていました。私は、緊張しない本番は何故か上手くいかないことが多く、緊張している本番はそれが集中力につながり、いい演奏ができるのだと思います。そして当日はホールの響きも良く、自分らしいニールセンを演奏することができました。
これまでのレッスンでの思い出はありますか。
――私は、先生についてまだ3年しか経っていませんが、本当にいい先生に出会えたなと心から感謝しています。レッスンはとても楽しく、一つ一つ丁寧に私の願いに応えてくださいます。いい演奏をすると先生が笑顔になって、その笑顔を見ると、もっと素敵な演奏をしたいと向上心を持ち、練習に励みます。きっとそれは、演奏を聴きに来てくださったお客さんに対しても同じなのだと思います。
最後にこれからコンクールを受ける皆様に一言お願いします。
――コンクール受けようかなと迷っている人には是非受けていただきたいです。審査員の先生方、お客さんの前で演奏することはとても緊張しますが、これから音楽をやっていくにあたっていい経験に繋がることは間違いないと思います。コンクールを受ける前より、自分の演奏に自信を持てるようになりました。